日本化学会は5月23日に川合眞紀氏(自然科学研究機構分子科学研究所)が新会長に就任したことを発表した。また日本化学工業協会(日化協)は24日に定時総会を開催し、三井化学の淡輪敏社長を同日付で新会長に選出したと発表した。 (引用:5月25日日刊工業新聞と産経biz)
川合眞紀氏は、東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了後、理研の研究員などを経て1988年に東京工業大学工業材料研究所客員教授、2004年に東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻教授を歴任され、2016年には自然科学研究機構の分子科学研究所の所長に就任されています。専門分野は固体の表面や界面で起きる化学現象を中心に、反応のダイナミクスや物質合成結晶成長、界面での物性解明などです。化学会初の女性会長ということで、化学会に新たなトレンドができるのではと期待しています。すでに会長挨拶にて2018年度基本活動方針も掲げられていて、より一層の化学会の発展が期待されます。
日本化学工業会に就任した淡輪敏氏は、早稲田大学商学部卒業後、「三井東圧化学(のちの三井化学)」に入社されました。工業薬品事業部長、執行役員人事・労制部長、常務執行役員基礎化学品事業本部長、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員などを経て2014年社長に就任しました。就任当初は市況の低迷、中国の過剰設備問題を発端とした輸出不振などにより3期連続赤字という窮地に立たされていましたが、赤字脱却に向け奔走した結果、2014年3月期、4期ぶりとなる黒字化を達成し2017年、3月期には、最高益を10年ぶりに更新。見事にV字回復を果たしました。就任会見で「化学産業は世界の課題を解決する上で無限のポテンシャルをもっている。化学産業のプレゼンス向上という視点からも化学産業の重要性、ポテンシャルを伝えていく」と話しました。
両会長の任期は二年間で、オリンピックに負けないように化学を盛り上げていってほしいと思います。
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