石油元売り国内最大手のJXホールディングスと、3位の東燃ゼネラル石油が1日、経営統合し「JXTGホールディングス」が始動した。エコカーの普及や、人口の減少などを背景に、石油製品の販売が減少傾向にある中、数百人規模の人員削減や、製油所の統廃合も検討し、今後、3年以内に年間1,000億円を超える収益の改善を目指す計画。 (引用:ホウドウキョク4月1日)
JXホールディングスは、石油の精製と販売を行うJXエネルギー、石油を採掘するJX石油開発、資源開発や金属製錬を行うJX金属を事業会社として持つ持ち株会社で、一方の東燃ゼネラル石油は、エクソンモービルと提携して原油の輸入から精製、販売までを手がけている企業でした。
JXTG(Tonen General)ホールディングスに変更になったことによりJXエネルギーも、JXTGエネルギーという会社名になりました。「ENEOS」というガソリンスタンドのJXエネルギーのブランドと「ゼネラル」「Esso」「Mobile」という東燃ゼネラル石油のブランドがありますが、当面はこれらのブランドを維持して販売を続けていくそうです。
石油化学業界は、原油価格の高騰や自動車の燃費向上などによる石油の消費量の減少により、不採算事業の統廃合や製油所の停止、企業買収を行っています。そのためかつてかつて20社ほどが存在していた石油元売り会社も現在では大手は4社だけになり、出光興産と昭和シェル石油も統合を検討しています。
化学業界でもプラントの停止が相次いでいて、日本での生産活動が縮小しています。今後は、日本でしか作れないものをどう作るかが化学メーカー各社にとって重要になってくると思います。
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