英文校正・論文投稿サポートを提供するエディテージ(株式会社カクタス・コミュニケーションズ 本社:東京都千代田区、代表取締役:湯浅誠)は、優れた日本の基礎研究の国際発信を支援する活動の一環として、自分の研究成果を世界に発信したい若手研究者に向けて「エディテージ研究費」の募集を開始する運びとなりました。本研究費は、40歳以下で過去2年間科研費の採択を受けていない自然科学、人文科学、社会科学の全分野の研究者を対象とし、本賞の受賞者2名には50万円の研究費を助成いたします(引用:2016年10月5日 エディテージプレスリリース)。
大学の研究者は丁度科研費申請の時期だと思います。なんと、題名通り「科研費の採択を受けていない研究者」へ研究費をくれるらしいです。2年間採択を受けていない人が対象とのこと。ユニークですね。この研究費を募集し始めたのは、英文校正を提供している「エディテージ」。なぜ英文校閲会社が?と思いますが、若手や基礎研究支援の目的だそうです。「研究を始めようと思ったきっかけ」や 「将来行いたい研究」など、個人的な内容も選考の対象に含まれるということ。対象となる方は興味があったら応募してみてはいかがでしょうか。募集要項などはこちら。
ただ、対象がもう少し工夫が必要な気が。どちらかというと科研費、特に若手分は実績がいまいちでも通してくれる唯一の研究費なんですが…。どうせなら、科研費通っていない人に限定せず、全く科研費も出していないテーマや、はじめたばかりのテーマや研究室の立ち上げサポートなどにしてほしいなあと思ったのは私だけでしょうか。
それはともかく、最近は多彩な研究費の募集が増えてきましたね。例えば、以前紹介したリバネスのL-RAD (記事:L-RAD:未活用の研究アイデアの有効利用に)。不採択の申請書を専用ウェブにアップロードして、登録企業とのマッチングにより研究費の獲得や共同研究を推進する新しい研究費獲得システムです。最初は登録企業が1社だで企画倒れかが満載でしたが、現在では3社に増え、実際に稼働しているようです。
L-RADを運営しているリバネスは、毎年数回ウェブ上での研究費募集を行っています。現在、「第33回リバネス研究費 L-RAD賞」というものを募集しており、2016年10月31日までにL-RADに登録された申請書を登録された方を対象とし、L-RAD事務局が申請書の審査を行い、採択者に最大50万円の研究費を支給致するとのこと(詳細はこちら)。残念ながら採択されなかった申請書を上げておくだけで、研究費がもらえる可能性があるということで、気になるところです。
また、「クラウドファンディング」で研究費を獲得する手法もあります。日本で初めてのクラウドファンディングサイトであるacademistがそのひとつです。クラウドファンディングとは研究者が研究アイデアを発信し、その魅力に共感した方々からの資金的サポートを受けられる仕組み。キャッチーな研究が中心となってきますが、こういう研究費の獲得方法もありじゃないでしょうか。
ちなみに実は、下記の2社には最近インタビューを受けた際に、詳しくお話を伺ったばかり。ナカの人たちもとっても若く熱い感じでした。今後の活動が楽しみです。いずれにしてもインターネットで研究費を募集するサイトが増えてきています。まだまだこれからですが、情報格差で獲得できる研究費も変わってくる時代が到来するかもしれません。