東大発VBのペプチドリーム、東証マザーズ上場-自社創薬に本腰
(朝日新聞デジタル / 日刊工業新聞)
東京大学発の創薬ベンチャー、ペプチドリーム(東京都目黒区、窪田規一社長、03・3485・7707)が11日、東京証券取引所マザーズに株式を上場した。疾患に関係するたんぱく質と特異的に結合する特殊なペプチド(たんぱく質の一種)を効率的に創製する技術を用い、創薬支援事業を手がける。同事業を主体に2015年6月期の売上高を、13年6月期見通しの2・8倍の18億6800万円に伸ばす一方、独自の創薬研究にも本腰を入れる方針だ。
上場初日はバイオ関連株人気もあって買い気配が続き、公募価格2500円に対して初値が付かないまま取引を終えた。
同社の創薬技術は生体内におけるたんぱく質合成の材料となる20種類のアミノ酸以外の特殊なアミノ酸を使い、これまでにない働きをするペプチドをつくり出せる点が特徴。この技術で米ファイザーやスイスのノバルティス、英グラクソ・スミスクライン、第一三共など大手製薬8社の創薬研究に力を貸している。
加えて年1―2件ずつ新規契約を獲得し、15年6月期の経常利益を13年6月期見通しの1億7500万円から9億8900万円に、当期利益を同じく1億3600万円から6億1300万円に伸ばす計画。また上場で得た資金を活用し、がん領域などで独自の創薬も本格化する。同日会見した窪田社長は自社開発品について「13年度にも前臨床試験を始められる」との見通しを示した。
http://www.asahi.com/tech_science/nikkanko/NKK201306120020.html
東京証券取引所マザーズの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ
(ペプチドリーム株式会社ウェブサイト)
当社は、本日、平成25年6月11日に東京証券取引所マザーズに上場いたしました。今後とも、なお一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
http://contents.xj-storage.jp/contents/45870/T/PDF-GENERAL/140120130610064392.pdf
東大発の創薬ベンチャー企業「ペプチドリーム」の東証マザーズ上場が報道される
ペプチドリーム株式会社は、独自の創薬開発プラットフォームシステムを活用して、国内外の製薬企業との共同研究開発のもと、新しい医薬品候補物質の研究開発を行っている企業です。東証マザーズに上場したと、報道および発表がありました。東証マザーズ(market of the high-growth and emerging stocks; MOTHERS)とは、東京証券取引所が開設する新興企業向けの株式市場のこと、です。
最近の東証マザーズ上場企業
ペプチドリーム株式会社は、平成18年7月設立。同年12月に、国立大学法人東京大学とフレキシザイムを中心とした包括的な第三者へのサブライセンス権付き独占実施・許諾権を取得しています。詳しい解説はペプチドリーム株式会社ウェブサイト内にあります(http://www.peptidream.com/about_us/business.html)。
強みは、医薬品リード化合物探索を目的とした特殊ペプチドのライブラリ、とくに環状ペプチドライブラリにあります。この環状ペプチドライブラリからは、従来なかなか薬理標的となりにくかった多剤排出耐性輸送体の阻害剤が、最近になって新たに大学との共同研究で単離されています(ケムステ解説記事:まっすぐなペプチドがつまらないなら「さあ輪になって踊ろ!」)。
多剤排出輸送体阻害剤,ならびに標的タンパク質との複合体立体構造.
今後の事業の進展が気になるニュースでした。