数十nm単位の微細加工に適した技術「ナノインプリント」。ある種の印刷技術を使って樹脂表面などに微細なパターンを転写する米国の大学発の先進技術だ。同技術の特許出願状況を調査したパテント・リザルトによれば、強い特許を持つ上位5社の中に、日本企業として東芝、キヤノン、富士フイルムが入った。抜粋 引用:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1212/10/news126.html
ナノケミストリーの中でも、表面のパターニングや表面特性を自在に変えることのできるスマートサーフェスマテリアルは活発に研究がされている分野である。
表面のパターニングではナノサイズで削り形を構築していくナノリソグラフィーという技術が代表的である。ノースウエスタン大学のChad Mirkinなどが化学のアカデミックサイドの研究を牽引している。
本記事で紹介されている技術はナノインプリントである。これは版画のナノサイズ版というイメージで、一度その鋳型を作ってしまうと、同じパターンが恒常的に作成できる事が強みである。本文中にあるように、プリンストン大学のStephen Chou氏や、ハーバード大学のGeorge Whitesides氏などがこの分野の大きな貢献者である。
ナノインプリントの技術は学術的な分野では1990年台から2000年台の前半にかけて盛り上がった分野であると認識されている。研究のアウトプットを確認することは研究に携わるものとしては意義深い。またこの技術において特許数では世界をリードしている日本の企業がその強みを活かせることを期待したい。
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