第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、本日、抗インフルエンザウイルス薬イナビル?(一般名:ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)のインフルエンザウイルス感染症予防に関する国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたのでお知らせします。
イナビル?は、当社が創製した純国産の長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤であり、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療を効能・効果として、2010年9月10日に製造販売承認を取得し、同年10月19日に発売しました。
今回の申請は、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者と同居する家族又は共同生活者を対象に行った第3相臨床試験(インフルエンザウイルス感染症予防)における、本薬によるインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果および安全性の検討結果(※)に基づくものです。
ちょっと遅いニュースとなり恐縮ですが、インフルエンザシーズン前に「予防」のニュースです。第一三共が、一昨年発売したインフルエンザ治療薬「イナビル」について予防適応の申請を行いました。承認されれば、予防薬としてはリレンザ、タミフルに次いで3番目の薬となります。
このイナビルというやつは、構造としてはリレンザに毛が生えたモノで、有機化学視点からは面白みに欠ける分子ですが、薬としての性能(?)は素晴らしいです。吸入により、インフルエンザウイルスの羅漢箇所である肺細胞に到達し、直後にエステルが加水分解され細胞膜を透過しにくい構造となり、肺細胞におは長期貯留(>5日)します。従って、1回の吸入で治療が完結するので、飲み忘れによる不完全治療を防ぎます。
そのためもあってか、ここ数年で各NA阻害薬の売上高比率が大きく変化し、イナビルの使用が急速に広がっているようです(関連リンク参照)
「これでワクチン注射しなくて良くなるゼぇ」というワケではありません。予防適応とはいえワクチン接種とは別物で「家族がインフルエンザになった時の感染予防」となりますのでお間違えなく。
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