山梨大医学部の中尾篤人教授(免疫学)らの研究グループは、赤ワインに多く含まれるポリフェノールに、食品アレルギーの予防効果があることをマウスの実験で突き止め、4日付の米オンライン科学誌「PLoS ONE」に発表した。
食品アレルギーを防ぐ薬はなく、中尾教授は「予防策や治療薬の開発につながる可能性もある」と話している。
予防効果が判明したのはポリフェノールの一種「レスベラトロール」。老化防止効果や抗酸化作用などがあるとされ、サプリメントとして市販されている。
研究では、卵アレルギーを持つ体質に変化させたマウスに、レスベラトロール入りの餌を1週間食べさせ、その後に卵を与えたところ、通常の餌を与えたマウスに比べてアレルギー反応が10分の1程度だったという。卵以外の食品アレルギーにも効果があるとみられる。
今回、マウスに投与した量を人間に換算すると1日約1グラムで、サプリメント数粒で摂取できる量だという。
(2012年9月7日07時10分 読売新聞)
今回の研究の結果、レスベラトロールは、マウス内での樹上細胞の成熟とそれに引き続くT細胞の初期の活性化とcAMP活性化のダウンレギュレーションによりT細胞の分化を妨げることにより、食品アレルギーの形成を妨げることが分かりました。
この結果より、レスベラトロールには食品アレルギーの予防に効果がある期待されています。
今回の研究で取り上げられたレスベラトロールは、赤ワインに豊富に含まれるポリフェノールとして非常に有名です。植物ではStilben Synthase (STS)により生合成されています。こちらについては後日、化学者のつぶやきの方で紹介したいと思います。
(図は全て、論文より抜粋)
参考論文
’’Dietary Resveratrol Prevents the Development of Food Allergy in Mice’’
Yui Okada, Kyoko Oh-oka, Yuki Nakamura, Kayoko Ishimaru, Shuji Matsuoka, Ko Okumura, Hideoki Ogawa, Masashi Hisamoto, Tohru Okuda, Atsuhito Nakao PLoS ONE 7(9), e44338, (2012) DOI : 10.1371/journal.pone.0044338
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