[スポンサーリンク]

ケムステニュース

JAMSTEC、深度1万900mに棲むエビから新酵素を発見 – バイオ燃料応用に期待

[スポンサーリンク]

 

海洋研究開発機構(JAMSTEC)は8月16日、日本の南方約2500kmに位置する「マリアナ海溝チャレンジャー海淵」の世界最深部(深度1万900m)に生息する「ヨコエビ(学名:Hirondellea gigas,和名:カイコウオオソコエビ)」の生態解明を行い、その食性究明において、タンパク質、脂質、多糖類などに対する分解活性を解析したところ、新規で有用性の高い消化酵素の検出及び精製に成功したと発表した。

 

今回発見された酵素は、カルボキシメチルセルロース(CMC)を基質とする新規なセルラーゼです。CMCは、紙製品などの原料に使われております。現在までCMCを基質とし、グルコースとセロビオースを生産するセルラーゼの報告は無く、この点においてこの酵素は新規です。

 

今回の発見は、カイコウオオソコエビが保持するセルラーゼが、木材や紙類を含めた多種多様なバイオマス全般に対して、高いグルコース生産性を有していることを明らかにしたものです。木材等と反応させることによって、エタノールの原料であるグルコースを容易に取得できることから、再生エネルギーとして期待されているバイオエタノールの生産等に大きく寄与することが期待されています。

 

  • 外部リンク

JAMSTEC プレスリリース

Avatar photo

ゼロ

投稿者の記事一覧

女の子。研究所勤務。趣味は読書とハイキング ♪
ハンドルネームは村上龍の「愛と幻想のファシズム」の登場人物にちなんでま〜す。5 分後の世界、ヒュウガ・ウイルスも好き!

関連記事

  1. 石油化学大手5社、今期の営業利益が過去最高に
  2. ノーベル化学賞、米仏の3氏に・「メタセシス反応」研究を評価
  3. 有機・高分子関連技術が一堂に会す「オルガテクノ2005」開催へ
  4. 大日本製薬と住友製薬が来年10月合併・国内6位に
  5. 国際化学オリンピックで日本代表4人メダル受賞
  6. 高知市で「化学界の権威」を紹介する展示が開催中
  7. モータースポーツで盛り上がるカーボンニュートラル
  8. モザイクワクチン HIVから人類を守る救世主となるか

注目情報

ピックアップ記事

  1. 有機合成化学協会誌2020年8月号:E2212製法・ヘリセン・炭素架橋オリゴフェニレンビニレン・ジケトホスファニル・水素結合性分子集合体
  2. ブロッコリー由来成分「スルフォラファン」による抗肥満効果の分子機構の解明
  3. 第五回ケムステVシンポジウム「最先端ケムバイオ」開催報告
  4. 「不斉有機触媒の未踏課題に挑戦する」—マックス・プランク石炭化学研究所・List研より
  5. GoogleがVRラボを提供 / VRで化学の得点を競うシミュレーションゲーム
  6. デヴィッド・ニセヴィッツ David A. Nicewicz
  7. 天然物化学
  8. ワーグナー・メーヤワイン転位 Wagner-Meerwein Rearrangement
  9. グリーンイノベーション基金事業でCO2などの燃料化と利用を推進―合成燃料や持続可能な航空燃料などの技術開発に着手―
  10. 第17回 音楽好き化学学生が選んだ道… Joshua Finkelstein氏

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年8月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー