C&ENに化学製品の売上高でランク付けをした2011年度版化学企業のグローバル·トップ50が発表されました。トップは、前年と変わらずBASFで2位のDow Chemicalに大差をつけています。日本企業は、大震災があったりにも関わらず9社ランクインしています。来年のランキングでは、震災を乗り越えた日本企業の成長を期待します。
日本企業の順位は、三菱化学(9位)、三井化学(14位)、住友化学(19位)、東レ(21位)、信越化学(25位)、旭化成(30位)、DIC(38位)、東ソー(43位)、昭和電工(47位)となっていますが、震災の影響は大きかったようで50社の中で売り上げを落としたのは7社、そのうち日本の企業が5社という結果になってしまいました。日本以外の企業に目を向けると、BASFやDow、エクソモービルをはじめとした化学の教科書に出てくるような会社だけでなく、SABICやAir Liquideなど全く知らない会社もたくさんランクインしています。国別でみるとやはりアメリカの多さが目につきます。ヨーロッパ勢ではドイツが健闘しているので、化学界でもドイツがヨーロッパを牽引しているのでしょうか。
グローバル·トップ50全体でみると、リーマンショック以降利益を伸ばしていて利益率は過去最高の水準に近づいています。ただし、この先の成長は不透明で、米国化学工業協会と欧州化学工業協会は、2012年度の成長率を下方修正しました。その背景にはやはり、欧州危機などがあるようです。ただし多くの企業が研究開発費を増やしていることは確かで、さらなる発展のために余念がありません。
今後、世界を一変される技術が生まれれば、このランキングは大きく変わるかもしれませんね。
関連書籍
[amazonjs asin=”480791295X” locale=”JP” title=”世界の化学企業: グローバル企業21社の強みを探る (科学のとびら)”]
外部リンク