[スポンサーリンク]

ケムステニュース

114番元素と116番元素の名称が間もなく決定!

[スポンサーリンク]

 

本年6月のケムステニュースにて、114番元素と116番元素が正式認可されたというニュースを取り上げました。

どのような名称が採用されるかと様々な予想が持たれていましたが、先日IUPACより正式名決定プロセスが開始したとの発表がありました。これが完了したのち、両元素は晴れて周期表に正式記載されることとなります。

さて、気になる新元素名はどんなものでしょうか?

114番元素はかねてから言われていたとおり、フレロヴィウム(Flerovium, Fl)に決定しそうな模様です。

106番元素(シーボーギウム)および107番元素(ボーリウム)の発見者であるロシアの核物理学者Georgy N. Flyorovにちなんだ名称です。

116番元素の名称は、リヴァモリウム(Livermorium, Lv)となる予定です。

こちらは新元素発見における重要拠点のひとつ、ローレンス・リヴァモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory, LLNL)が元となっています。共同研究も含めれば、これまで6つ(113~118番元素)もの新元素発見に貢献しているという凄まじい研究所です。またLLNLの設立者でもあるアーネスト・ローレンス(1939年ノーベル物理学賞)は、既に103番元素名(ローレンシウム)の由来にもなっています。

かつて提案されていたモスコヴィウム(moscovium)からは変更されたようですが、両元素はドゥブナ研究所とLLNLの共同研究によって発見されたものとされているためでしょう、ドゥブナ研究所側に偏重した命名が避けられたのかもしれません。

これで名称未決の元素は113,115,117,118番の4つとなりました。再現確認作業待ちも多くあるため、正式認可はまだまだ先になるでしょうが、こちらも楽しみですね。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4054058388″ locale=”JP” title=”美しい元素 (学研の図鑑)”][amazonjs asin=”4422420046″ locale=”JP” title=”世界で一番美しい元素図鑑”][amazonjs asin=”4759811672″ locale=”JP” title=”元素生活 Wonderful Life With The ELEMENTS”][amazonjs asin=”4334037119″ locale=”JP” title=”元素周期表で世界はすべて読み解ける 宇宙、地球、人体の成り立ち (光文社新書)”]

 

外部リンク

 

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 科学技術教育協会 「大学化合物プロジェクト」が第2期へ
  2. 浜松ホトニクス、ヘッド分離型テラヘルツ波分光分析装置を開発
  3. 環境、人体に優しい高分子合成を開発 静大と製薬会社が開発
  4. フロンよりもオゾン層を破壊しているガスがある
  5. 千葉大など「シナモンマスク」を商品化 インフル予防効果に期待
  6. 田辺三菱 国内5番目のDPP-4阻害薬承認見通し
  7. 祝!明治日本の産業革命遺産 世界遺産登録
  8. 抗精神病薬として初めての口腔内崩壊錠が登場

注目情報

ピックアップ記事

  1. 夏休みのおでかけに最適! 化学にまつわる博物館5選 ~2024年版~
  2. 理論的手法を用いた結晶内における三重項エネルギーの流れの観測
  3. 第146回―「原子から社会までの課題を化学で解決する」中村栄一 教授
  4. Carl Boschの人生 その8
  5. アントンパール 「Monowave300」: マイクロ波有機合成の新武器
  6. 理系のための口頭発表術
  7. フラグメント創薬 Fragment-Based Drug Discovery/Design (FBDD)
  8. ジフェニルオクタテトラエン (1,8-diphenyl-1,3,5,7-octatetraene)
  9. グラフィカルアブストラクト付・化学系ジャーナルRSSフィード
  10. 有機合成化学の豆知識botを作ってみた

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年12月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

第18回日本化学連合シンポジウム「社会実装を実現する化学人材創出における新たな視点」

日本化学連合ではシンポジウムを毎年2回開催しています。そのうち2025年3月4日開催のシンポジウムで…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー