徳島出身で「日本薬学の父」と称される長井長義博士(1845~1929)の半生を描いた映画「こころざし-舎密(せいみ)を愛した男-」の製作発表が22日、徳島大(徳島市庄町1)で行われた。俳優の西村和彦さんが長井博士の役を演じ、父親役に大杉漣さん、妹役に大塚ちひろさんと県出身の俳優が脇を固める。来年3月の完成後は県内各地で上映会が開かれるほか、県内の全中学・高校に映像DVDを配り、郷土の偉人を広く発信する(引用:毎日新聞)。
これは面白いですね。長井長義博士に関しては語るまでもないでしょう(後日「世界の化学者データベース」に追加します)。なかなか化学者が主人公の映画、テレビがないので(爆発する博士コントなら誰でも知っているかもしれませんが(苦笑))気になるところです。ふと思えば化学に関する映画、テレビ等ってどんなものがあったのでしょうか。ちょっとだけ調べてみることにしました。
早速Google検索してみると、なんとつい先月まで単館系の映画ですが、第一三共の初代社長であった高峰譲吉の映画がやっていたようです。
さくらさくら サムライ化学者 高嶺譲吉の生涯
あらすじ:金沢の救急病院での場面が映画の導入だ。緊急手術に使われた止血剤を担当医が「エピネフリン」というのに、「アドレナリン」と呼ぶべきだと女性看護師が反発する。看護師は主人公高峰譲吉の妹の曾孫という設定で、彼女が先祖の譲吉の事績を調べていく。看護師役の女優(国分佐智子)は、譲吉の妹役も務める。その妹がまだ幼女だった明治初年、金沢藩のもと御典医の家、高峰家で、長男譲吉が家業の医学でなく化学を学びたいと父に言い出す場面から始まる。このあと映画は、譲吉の生涯を追っていく。譲吉の工部大学校在学、イギリス留学からの帰国後の農商務省での化学者としての活動、アメリカのニューオリンズの万博出張と将来の妻キャロライン・ヒッチとの出会い、万博で買い付けた過リン酸肥料の日本への導入の苦労と大日本肥料会社設立、キャロラインとの結婚と彼等の日本生活での悲喜劇、キャロラインの母の後押しによる一家のアメリカ移住、ウィスキー醸造業への参入と挫折、タカジアスターゼの開発とパーク・デイヴィス社との交渉、日本から来た助手上中啓三との協力による副腎髄質ホルモンの結晶化(アドレナリン)、晩年の日米親善事業のためのワシントンへの桜の導入など、譲吉の生涯と業績のエッセンスがうまくまとめられている。映画のタイトル「さくら、さくら」は、このワシントンに見事な桜並木をもたらした高峰の最後の業績にちなんでいる(引用:梶 雅範・科学史研究室)。
ノーベル化学賞関連動画(サイエンスZERO)
映画とは異なりますが、サイエンスZEROのノーベル化学賞関連動画は誰でもわかるように簡単に解説されていておすすめです。2008年の下村脩先生のGFPの発見秘話、2009年のリポソームの解説が放送されました。しかし残念ながら(当たり前ですが)インターネットでは視聴できません。
サイエンスチャンネル
科学技術振興機構(JST)がお届けする、科学技術専門放送であるサイエンスチャンネルでは多くの化学に関する放送がインターネットでご覧になれます。例えば、向山光昭先生だとか小林修教授、山口茂弘教授、及川英秋教授のドキュメント、インタビュー動画等(約15~30分)を見ることができます。その他にも歴史的に著名な化学者について、ノーベル化学賞受賞者についての番組もあります。
杉本八郎物語?(題名を覚えていない)
学生の時(5,6年前?)にアルツハイマー治療薬であるアリセプトを開発した元エーザイ研究員(現在京都大学薬学部教授)の杉本八郎先生のドキュメントTVがどこかの番組で放送されていました。時間は30分ほどであったと思いますが、非常によく出来ていて感動し、恥ずかしながら泣きそうになった思い出があります。ビデオに録画したのですが、もちろん最近ビデオなどみないのでどこにいったかもわからず、さらに番組名も忘れてしまったので思い出せません。学生に見せてあげたいのですが、誰か知っている人がいたらご一報ください。
杉本八郎教授 アルツハイマー病治療薬開発の夢を追って (PDFファイル)
というわけで映画からかなり話はそれてしまいましたが、化学者を題材にした映画、テレビ、ドキュメントは将来化学を学びたい学生にとって容易に感情移入することが可能で、さらにモチベーションをあげることができるのでぜひもっと作って欲しいものです。
ちなみにヤル気を出したい時に、モチベーションを上げるための書籍、読み物としてオススメなものは以下の2つ。。
月刊「化学」 研究者ノート (福山透先生)
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