毒性が強く、環境中で分解されにくい化学物質を規制する「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」の加盟各国は9日未明(日本時間同日午前)、ジュネーブでの締約国会議で、カーペットなどに使われる臭素系難燃剤の一部など、新たに8物質の製造や使用を原則として禁止することで合意した(引用:47News)。
残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(tockholm Convention on Persistent Organic Pollutants)は2001年に採択され2004年に発効された条約です。これまで、アルドリン、ディルドリン、エンドリン、クロルデン、ヘプタクロル、トキサフェン、マイレックス、ヘキサクロロベンゼン、ポリ塩化ビフェニル(PCB)の製造と使用の禁止を掲げていました。5月4日から4日間にかけて行われた、第4回目の会議で追加されたものは9種類の化学物質でした。
<製造、使用禁止>
- テトラブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモジフェニルエーテル
- クロルデコン
- ヘキサブロモビフェニル
- リンデン
- α-ヘキサクロロシクロヘキサン
- β-ヘキサクロロシクロヘキサン
- ヘキサブロモジフェニルエーテル、ヘプタブロモジフェニルエーテル
<製造、使用禁止>(一部を除く)
8.ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸フルオリド(PFOSF)
<製造、使用禁止および非意図による排出の削減>
9.ペンタクロロベンゼン
現在(11日?15日)スイスのジュネーブで、もう一つの化学物質安全に関する会議である「第2回国際化学物質管理会議」(UNEP主催)が開催される予定です。2006年2月の第1回会議では、2020年までに化学物質が人の健康・環境への影響が最小となるような方法で生産・使用されることを目標とした「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」(SAICM)が策定されています。 今回の会議では、SAICMの実施状況のレビューが行われるとともに、ナノ材料の安全性、製品中の化学物質、塗料中の鉛及びe-wasteについて話し合われる予定です。
関連リンク
- ストックホルム条約事務局
- 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約 – Wikipedia