三十代以降の女性にとって、乳がんは怖い病気の一つ。名古屋大大幸医療センターは、閉経後で身内が乳がんになったなど発症リスクが高い人を対象に、米国で予防効果が示されている「塩酸ラロキシフェン」を処方する自由診療を、二十二日から始める。国内では「ラロキシフェン」の予防効果はまだ実証されておらず、がんを予防するために薬を用いる化学予防も一般的ではない中、大学病院のこうした取り組みは、きわめて珍しい(引用:中日新聞)。
?塩酸ラロキシフェン(Raloxifene hydrochloride)は前の記事にも書いたように(関連記事参照)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター:SERMとして、骨粗鬆症の治療薬としても、世界ではすでに1000万人以上の女性が利用し、最近国内でもよくつかわれています。それが最近、米国立がんセンターの研究結果により乳がんの予防になるという報告があったのです。
通常はエストロゲン製剤を長い間もちいると、逆に乳がんの発生率を高めてしまいます。ただし、この塩酸ラロキシフェンは骨以外でエストロゲン(骨の量をたもつ女性ホルモン)の役割をせず、がんの発生率は高めません。それだけでなく、予防効果もあるといわれています。実際ははっきりとした根拠がいまだわかっておりませんが、もし予防効果があるのならば、すばらしいことですね。
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