[スポンサーリンク]

ケムステニュース

武田薬品、週1回投与の骨粗鬆症治療薬「ベネット錠17.5mg」を発売

[スポンサーリンク]

 当社は、本日、週1回投与の骨粗鬆症治療薬「ベネット(R)錠17.5mg」(一般名:リセドロン酸ナトリウム水和物)を新発売いたしました。

「ベネット錠17.5mg」は、国内における第3相二重盲検比較試験において、1日1回投与製剤「ベネット錠2.5mg」(2002年5月発売)と同様の有効性および安全性が確認されています。

今回の週1回投与製剤は、生活習慣などに応じた服用方法を選択可能にするものであり、患者さんが服用日や服用方法を確認しやすいよう、包装にはブリスターカードを採用しています。

リセドロン酸ナトリウム水和物は、米国ノルウィッチ・イートン社(現:米国プロクターアンドギャンブル製薬会社)が合成したビスフォスフォネート系骨粗鬆症治療薬であり、類薬と異なる以下の特徴を有しています。(1)プラセボ投与群を対照とする海外の大規模臨床試験のデータを再解析した結果、臨床椎体骨折および非椎体骨折の発生頻度抑制効果が6ヶ月の早期から認められています。(2)大腿骨頸部骨折発生頻度を主要評価項目とした、プラセボ投与群を対照とする大規模臨床試験において、有効性が確認されている唯一の薬剤です(引用:日経プレスリリース)。

 

 

記載されているようにベネットはビスフォスフォネート系製剤と呼ばれている骨粗しょう症治療薬です。見たとおりの名前ですね。リン酸誘導体(フォスフォネート)部位が2つ(ビス)あるという意味です。同じ系統の、つまりビスフォスフォネート系製剤には、メルクのアンドレネート(日本名フォサマック)や帝人ファーマのボナロン(アレンドロン酸ナトリウム水和物)などがあります。

ビスフォスフォネート製剤により胃腸障害などの問題がある場合際は、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM;selective estrogen receptor modulator、一般名:塩酸ラロキシフェン)というものがあります。SERMは、日本に導入されてまだ数年ですが、海外ではビスフォスフォネート製剤と同等と考えられるほどの骨折予防効果が示されています。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4897752957″ locale=”JP” title=”骨粗鬆症治療の歴史をつくった薬 (Osteoporosis Japan叢書)”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ポリエチレンなど合成樹脂、値上げ浸透
  2. エレクトライド:大量生産に道--セメント原料から次世代ディスプレ…
  3. 耐熱性生分解プラスチック開発 150度でも耐用 阪大
  4. シロアリに強い基礎用断熱材が登場
  5. 国際化学オリンピック、日本の高校生4名「銀」獲得
  6. 理化学研究所、植物の「硫黄代謝」を調節する転写因子を発見
  7. 「サガミオリジナル001」、今月から販売再開 相模ゴム
  8. 積水化学と住友化学、サーキュラーエコノミーで協力。ゴミ原料にポリ…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ケムステV年末ライブ & V忘年会2020を開催します!
  2. マイケル・レヴィット Michael Levitt
  3. X線分析の基礎知識【X線の性質編】
  4. 小型質量分析装置expression® CMSを試してみた
  5. ブレデレック イミダゾール合成 Bredereck Imidazole Synthesis
  6. 小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出
  7. 春季ACSMeetingに行ってきました
  8. 虫歯退治に3種の抗菌薬
  9. 光を吸わないはずの重原子化合物でも光反応が進行するのはなぜか?
  10. 分子運動を世界最高速ムービーで捉える!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年6月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

大人気の超純水製造装置を組み立ててみた

化学・生物系の研究室に欠かせない超純水装置。その中でも最も知名度が高いのは、やはりメルクの Mill…

Carl Boschの人生 その11

Tshozoです。間が空きましたが前回の続きです。時系列が前後しますが窒素固定の開発を始めたころ、B…

PythonとChatGPTを活用するスペクトル解析実践ガイド

概要ケモメトリクスと機械学習によるスペクトル解析を、Pythonの使い方と数学の基礎から実践…

一塩基違いの DNA の迅速な単離: 対照実験がどのように Nature への出版につながったか

第645回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院工学系研究科相田研究室の龚浩 (Gong Hao…

アキラル色素分子にキラル光学特性を付与するミセルを開発

第644回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 総合研究院 応用化学系 化学生命科学研究所 吉沢…

有機合成化学協会誌2025年2月号:C–H結合変換反応・脱炭酸・ベンゾジアゼピン系医薬品・ベンザイン・超分子ポリマー

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年2月号がオンライン公開されています。…

草津温泉の強酸性硫黄泉で痺れてきました【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい!  というわけで、硫黄系の温泉であり、日本でも最大の自然温泉湧出量を誇る草津温泉…

ディストニックラジカルによる多様なアンモニウム塩の合成法

第643回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の木之下 拓海(きのした …

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー