合併を協議している三菱ケミカルホールディングス(HD)傘下の製薬大手三菱ウェルファーマ(大阪市)と田辺製薬が、今年10月をめどに設立する新会社の概要が26日、明らかになった。特許が切れた新薬と同じ成分を使う安価な「後発医薬品」(ジェネリック医薬品)事業に新規参入し、主力の医療用医薬品、一般用医薬品と合わせた総合医薬品メーカーを目指す(引用:読売新聞関西版)。
田辺製薬と三菱ウェルファーマの合併は再び製薬業界が起こることを予想させます。こういう話はおいておいて、田辺製薬と三菱ウェルファーマの主力薬品についてちょっと説明しましょう。
田辺製薬といえば関節リウマチ治療薬「レミケード」(Remicade)。一般名をインフリキシマ(Infliximab)といいます。モノクローナル抗体製剤なので、残念ながら化学構造はかけないですが、売れています。ただし、レミケードは自社開発でなく導入品であるので、利益は限られてきます。
循環器・代謝領域が昔から強く、ACE阻害型降圧薬「タナトリル」、不整脈用剤「メインテート」があります。ただし、レミケードの売り上げには及びません。現在抗過活動膀胱薬の自社開発品がありますが、上市はまだまだ先のことです。
一方の三菱ウェルファーマは脳保護薬「ラジカット」(Radicut)、末梢循環改善剤「リプル」などが主力。
さらに田辺、ウェルファーマともにDPPIV阻害薬(糖尿病治療薬)を開発し、とくに三菱ウェルファーマに関してはフェーズIIIまでいっているので、その開発を推し進めるために、研究開発力を強くすることがねらいか?とも思いますが、実際はよくわかりません。
ところで、名前はどうなるんでしょうか?三菱田辺製薬?もともと三菱ウェルファーマの全身の東京田辺製薬とははじまりは同じなので、数百年のときを超えて元に戻ったことになります。いずれにしても、日本内にしても決してメガファーマの誕生とはいえないですが、今後の進展に注目です。