[スポンサーリンク]

ケムステニュース

三井化学、触媒科学賞の受賞者を決定

[スポンサーリンク]

三井化学は、2007年の「三井化学触媒科学賞」の受賞者に、候召民 理化学研究所主任研究員、グレゴリー・C・フー マサチューセッツ工科大学教授の2人を選出した。候氏は希土類錯体の基礎化学から応用までの研究を通じ、新触媒によるオレフィン、ジエンなどの広範な重合を実現したこと、フー氏は面性不斉などの新しい概念を提案し、新規性、汎用性が極めて高い有機合成手法を開発したことがそれぞれ評価された。触媒科学奨励賞は寺尾潤大阪大学助手、陳志宏香港市立大学助教授の2人が受賞。寺尾氏は陰イオン性オレフィン遷移金属錯体が炭素-炭素結合形成反応の新触媒となることを示したこと、陳氏はオレフィン重合制御のための弱い吸引性相互作用の重要性を中性子回析などの手法で証明したことが評価された。(引用:化学工業日報

2004年から始まった、三井化学触媒科学賞。隔年、触媒科学の分野で優れた業績をあげた2名が授賞しています。今回の受賞者は以下の方々です。

グレゴリー・C・フー(Gregory C. Fu)

Gregory C. Fu

MITにてK.B.Sharpless教授の下で研究を始め、1985年MIT卒業。その後、ハーバード大学のDavid A. Evans教授の下で研究を行い、1991年博士号を取得。その後、カリフォルニア工科大学Robert H. Grubbs研の博士研究員となり、1993年MITで助教授、准教授を経て、1999年から現職。最近の受賞は2004年のCorey Awardや2006年のMukaiyama Awardなど多数。

主に、有機金属触媒を用いた、不斉触媒反応やカップリング反応を研究。現在J. Am. Chem. Soc. のAssociate Editorも勤めている。実力、名声ともにこの世代で1,2を争う実力者。

候召民 (Zhaomin Hou)

Zhaomin Hou

 理化学研究所主任研究員。希土類重合触媒と新規機能性材料の開発。第三回の日本学術振興会賞も受賞している。

関連リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 理研、放射性同位体アスタチンの大量製造法を開発
  2. 房総半島沖350キロに希少金属 広範囲に
  3. 相次ぐ海外化学企業の合併
  4. 「不斉化学」の研究でイタリア化学会主催の国際賞を受賞-東理大硤合…
  5. 持田製薬/エパデールのスイッチOTC承認へ
  6. 新世代鎮痛剤の販売継続を 米政府諮問委が勧告
  7. 今週末は「科学の甲子園」観戦しよーぜ
  8. アラン・マクダイアミッド氏死去

注目情報

ピックアップ記事

  1. トヨタ、世界初「省ネオジム耐熱磁石」開発
  2. ジェイコブセン・香月エポキシ化反応 Jacobsen-Katsuki Epoxidation
  3. 化学エネルギーを使って自律歩行するゲル
  4. 有望ヘリウム田を発見!? ヘリウム不足解消への希望
  5. トリニトロトルエン / Trinitrotoluene (TNT)
  6. 第69回「見えないものを見えるようにする」野々山貴行准教授
  7. 光触媒の力で多置換トリフルオロメチルアルケンを合成
  8. 有機合成化学協会誌2020年3月号:電子欠損性ホウ素化合物・不斉Diels-Alder反応・ホヤの精子活性化誘引物質・選択的グリコシル化反応・固定化二元金属ナノ粒子触媒・連続フロー反応
  9. アルメニア初の化学系国際学会に行ってきた!②
  10. 化学工場で膀胱がん、20人に…労災認定議論へ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2006年12月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

次世代の二次元物質 “遷移金属ダイカルコゲナイド”

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

理研の研究者が考える未来のバイオ技術とは?

bergです。昨今、環境問題や資源問題の関心の高まりから人工酵素や微生物を利用した化学合成やバイオテ…

水を含み湿度に応答するラメラ構造ポリマー材料の開発

第651回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院工学研究科(大内研究室)の堀池優貴 さんにお願い…

第57回有機金属若手の会 夏の学校

案内:今年度も、有機金属若手の会夏の学校を2泊3日の合宿形式で開催します。有機金…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー