[スポンサーリンク]

ケムステニュース

天然の日焼け止め?

[スポンサーリンク]

アントシアニンそろそろ梅雨の季節ですが、梅雨が明けたら夏。日差しが厳しい季節がやってきます。

ほどよい日焼けは健康的でよいですが、過度の日焼けはお肌にダメージを受けます。日焼けは皮膚内部に入ってきた紫外線に対して、皮膚がメラニン色素を産出してその侵入を防御するために起こる現象です。日焼けすることによって肌のシワや老化を早めます。さらに、皮膚がんの原因ともなります。

?

 最近、メッシーナ大学のFrancesco Cimino らは、ベリーや赤ぶどうなどに含まれるアントシアニン類が、肌を黒くする紫外線UV-Aから皮膚細胞を保護する効果を有することを報告しました。(J. Agric. Food Chem., published online May 9, dx.doi.org/10.1021/jf060253x)アントシニンの3位配糖体であるcyanidin-3-O-glucoside がそのような効果があるそうです。さらに、サンバーンの原因である紫外線UV-Bからも皮膚細胞を保護するそうです。

また、ヘブライ大学のMorris Srebnik らはバクテリアの代謝物質であるporphyra334にUV-Aから皮膚細胞を保護する効果があることを報告しました。どーやら市販の日焼け止め製品よりも広い波長範囲で皮膚を保護するとのことです。(Photochem. Photobiol. Sci. 2006, 5, 432).

両者とも天然の日焼け止めということで、このような化合物群にどうしてそのような効果があるかが興味があるところですね。

?

関連書籍


健康と紫外線のはなし―日焼けが皮膚がんをおこす

?




関連リンク

日焼け止め化粧品の選び方

ドクターQ&A 日焼け対策

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 凸版印刷、有機ELパネル開発
  2. アルツハイマー原因物質、緑茶成分に抑制機能・埼玉医大など
  3. 房総半島沖350キロに希少金属 広範囲に
  4. 2007年秋の褒章
  5. 宇宙に輝く「鄒承魯星」、中国の生物化学の先駆者が小惑星の名前に
  6. 2010年10大化学ニュース
  7. 最新の産学コラボ研究論文
  8. 国際化学オリンピック2022日本代表決定/化学グランプリ2022…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 色素・樹脂材料処方設計におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用とは?
  2. 世界的性能の質量分析器開発を開始
  3. 高純度フッ化水素酸のあれこれまとめ その1
  4. ハーバード大Whitesides教授プリーストリーメダルを受賞
  5. 有機無機ハイブリッドペロブスカイトはなぜ優れているのか?
  6. 「抗炎症」と「抗酸化」組み合わせ脱毛抑制効果を増強
  7. 芳香族メタ光環化付加 Aromatic meta-photocycloaddition
  8. NMRのプローブと測定(Bruker編)
  9. 第106回―「分子の反応動力学を研究する」Xueming Yang教授
  10. フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2006年5月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

CIPイノベーション共創プログラム「未来の医療を支えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第105春季年会(2025)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「未来の医療…

OIST Science Challenge 2025 に参加しました

2025年3月15日から22日にかけて沖縄科学技術大学院大学 (OIST) にて開催された Scie…

ペーパークラフトで MOFをつくる

第650回のスポットライトリサーチには、化学コミュニケーション賞2024を受賞された、岡山理科大学 …

月岡温泉で硫黄泉の pH の影響について考えてみた 【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい! というわけで、硫黄系温泉を巡る旅の後編です。前回の記事では群馬県草津温泉をご紹…

二酸化マンガンの極小ナノサイズ化で次世代電池や触媒の性能を底上げ!

第649回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院環境科学研究科(本間研究室)博士課程後期2年の飯…

日本薬学会第145年会 に参加しよう!

3月27日~29日、福岡国際会議場にて 「日本薬学会第145年会」 が開催されま…

TLC分析がもっと楽に、正確に! ~TLC分析がアナログからデジタルに

薄層クロマトグラフィーは分離手法の一つとして、お金をかけず、安価な方法として現在…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー