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タミフル、化学的製造法を開発…スイス社と話し合いへ

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インフルエンザの特効薬タミフルを植物原料を使わず化学的に製造する方法を東大大学院薬学系研究科の柴崎正勝教授らのグループが開発した。

 世界で需要が急増している抗ウイルス薬の安定生産を可能にする技術として注目されそうだ。

タミフルは、スイスの製薬大手ロシュが独占的に製造している。中国料理に使われる植物トウシキミの果実「八角」を原料に、その成分であるシキミ酸から複雑な工程を経て生産される。新型インフルエンザにも効くと予想されるため、各国が備蓄を進めているが、慢性的に品不足状態にあるうえに、天候不順だと原料の確保が難しくなる。(引用:読売新聞)

 

タミフルを不斉合成したそうです。前々から合成屋のなかではそういう話があり、誰かが合成してくると思いましたが、どのように合成しているのでしょう。どうやら1,4-シクロヘキサンジエンを出発物質として合成しているということ。ロシュの合成法と異なり、シキミ酸を用いないため、より安価で安定供給できる合成法であると。

 工業的に生産できるようになるためには、実験室レベルの成功例ではなかなか難しいと思いますが、面白い話題ですね。どのように合成しているのか考えて見ましょう。

 

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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