深刻な薬害を招いて販売停止となった催眠鎮静剤「サリドマイド」の個人輸入が増えている問題で、サリドマイドを投与している医師の3割が厚生労働省のガイドライン(指針)に従わず、管理担当の薬剤師を置いていないことが、同省の使用実態調査で分かった。
サリドマイドは、妊婦が服用し胎児の手足に重い障害が出る薬害事件の原因となり、国内では1962年に販売停止となった。最近、がん治療薬として注目され、医師が個人輸入で患者に投与するケースが増加、2003年の輸入量は53万錠に上った。
しかし、睡眠薬として服用していたケースなども確認されたことから、厚労省は2004年、未承認薬の適正な使用を求める異例の指針を作成。昨年7~12月に個人輸入した医師355人を対象に使用実態を聞いたところ、半数にあたる177人から回答があった。(引用:読売新聞)
血管新生阻害作用があり、ガンの治療薬としてとして改めて注目されたサリドマイド。ラセミ体を供給したため悲劇が起こったとよく言われますが、催眠性を有する単一の光学活性体であっても数時間で、催奇性を有する光学活性体と1:1に戻ってしまいます。睡眠薬として患者に投与した、医者の倫理がよくわかりません。
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サリドマイドは過去、大きな被害をもたらした。しかし、治癒の見込みのない末期がん患者にとって「福音」と言える可能性を秘めている。サリドマイドの作用や危険性を詳細に記し、健全なる治療への応用を目指した書。