[スポンサーリンク]

ケムステニュース

招福豆ムクナの不思議(6)植物が身を護る化学物資

[スポンサーリンク]

ムクナにはL-ドーパという化学物質がたくさん含まれ、この物質が雑草を抑えるアレロパシーのもとになっている。アレロパシーというのは、植物が放出する化学物質が他の生物種に対する情報伝達の働きをもつのだとも見なされてれる。 他方、人間の脳ではL-ドーパからドーパミンという神経伝達物質が作られている。「L-ドーパという化学物質が植物間と人間の脳で、よく似た役割を果たしているところがなかなか興味深い」と藤井義晴さんは言う。L-ドーパの場合からもわかるように、アレロパシー効果をもつ物質の正体がわかってくるとともに、植物がつくりだす化学物質についての理解が大いに深まってくる。(引用:市民メディア・インターネット新聞JANJAN)

 
 L-ドーパ(L-DOPA)はパーキンソン病の治療薬で、脳内でドーパミンに転換され、パーキンソン病の症状を改善します。これらパーキンソン病の研究で2000年にArvid Carlsson教授にノーベル生理学・医学賞が授与されています。
 また、元モンサントの研究者ウィリアム・ノーレス博士が、自身で開発したリガンド(R,R)-DiPAMPとロジウムとの不斉触媒を用いて、L-DOPAの工業的生産に成功し、2001年のノーベル化学賞を受賞しています。
L-ドーパの工業的製法

 

 

 

 

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4807906534″ locale=”JP” title=”生物有機化学―生物活性物質を中心に”][amazonjs asin=”4759811079″ locale=”JP” title=”植物生理学 (基礎生物学テキストシリーズ)”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 磁性液体:常温で液体になる磁性体を初発見 東大大学院
  2. 化学大手2014年4–9月期決算:概して増収増益
  3. エコエネルギー 家庭で競争
  4. 植物性油の再加熱によって毒物が発生
  5. マイクロ波加熱を用いた省エネ・CO2削減精製技術によりベリリウム…
  6. 相原静大教授に日本化学会賞 芳香族の安定性解明
  7. コケに注目!:薬や香料や食品としても
  8. 富大工学部実験研究棟で火事

注目情報

ピックアップ記事

  1. TLC分析がもっと楽に、正確に! ~TLC分析がアナログからデジタルに
  2. オリーブ油の苦み成分に鎮痛薬に似た薬理作用
  3. 分子研「第139回分子科学フォーラム」に参加してみた
  4. アジドの3つの窒素原子をすべて入れる
  5. 水を含み湿度に応答するラメラ構造ポリマー材料の開発
  6. 手術中にガン組織を見分ける標識試薬
  7. 第110回―「動的配座を制御する化学」Jonathan Clayden教授
  8. 書いたのは機械。テキストの自動生成による初の学術文献が出版
  9. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑨ (解答編)
  10. 有機ルイス酸触媒で不斉向山–マイケル反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

理研の研究者が考える未来のバイオ技術とは?

bergです。昨今、環境問題や資源問題の関心の高まりから人工酵素や微生物を利用した化学合成やバイオテ…

水を含み湿度に応答するラメラ構造ポリマー材料の開発

第651回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院工学研究科(大内研究室)の堀池優貴 さんにお願い…

第57回有機金属若手の会 夏の学校

案内:今年度も、有機金属若手の会夏の学校を2泊3日の合宿形式で開催します。有機金…

高用量ビタミンB12がALSに治療効果を発揮する。しかし流通問題も。

2024年11月20日、エーザイ株式会社は、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン…

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

CIPイノベーション共創プログラム「未来の医療を支えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第105春季年会(2025)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「未来の医療…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー