[スポンサーリンク]

ケムステニュース

キレーション療法ってなに?

[スポンサーリンク]

EDTA?狭心症や心筋梗塞をはじめとする生活習慣病の新しい治療法「キレーション療法」が、日本にも上陸した。血管の動脈硬化の改善や、体内の有害な重金属の排泄を目的とした治療法で、米国ではすでに80万人以上がこの治療を受けている。6月から治療を開始した九段クリニック・阿部博幸理事長に聞いた。

 キレーション療法は、米国で発展した生活習慣病の新しい治療法だ。
「水銀、鉛、ヒ素、アルミニウムなど、我々の体には有害な重金属がたまっています。これらが酵素と結合すると、酵素の働きを阻害して血管、神経、臓器などにダメージを与えます。まず、尿検査で体内に有害な重金属がどれだけあるかを測定し、キレーション療法を行います。具体的には、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)と呼ばれる合成アミノ酸に総合ビタミン剤を加えたものを、約1時間点滴します。この特別な輸液が血管の中に入ると、複雑な生化学反応により有害な重金属が除去され、尿や便の中に排泄されるのです」
 狭心症や心筋梗塞の治療の基本は(1)薬(2)バイパス手術(3)風船治療だが、これらの治療でうまくいかない場合や、これらの治療を受けたくない場合に、キレーション治療が行われるという。ボロボロになった血管を修復させることが期待できる。現段階では、米国で副作用はほとんど報告されていないという。
(引用:ゲンダイネット

 

 EDTA(エチレンジアミン四酢酸)のカルボン酸部分がキレートすることで(配位結合して錯体を形成すること。)水に溶けにくい金属を溶かしやすくしたり、余分な金属を取り除いたりすることができます。

 一般的には石鹸などにもエチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩が入っていて(エデト酸と記載されていることが多い。)水中に金属塩が入っていると泡が立たなくなるために、その金属塩を補足する効果があります。

関連書籍

キレーション治療プロトコール―血管性疾患、変性疾患、重金属障害に対するEDTA等のキレート剤の安全で効果的な投与方法

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ソウル大教授Nature Materials論文捏造か?
  2. 112番元素にコペルニクスに因んだ名前を提案
  3. 磁性液体:常温で液体になる磁性体を初発見 東大大学院
  4. 三井化学と日産化学が肥料事業を統合
  5. 人名反応から学ぶ有機合成戦略
  6. 産学官若手交流会(さんわか)第19回ワークショップ のご案内
  7. 素材・化学で「どう作るか」を高度化する共同研究拠点、産総研が3カ…
  8. パテントクリフの打撃顕著に:2012製薬業績

注目情報

ピックアップ記事

  1. Angewandte Chemieの新RSSフィード
  2. 「水素水」健康効果うたう表示は問題 国民生活センターが業者に改善求める
  3. Nrf2とKeap1 〜健康維持と長寿のカギ?〜
  4. ニッケル錯体触媒の電子構造を可視化
  5. NICT、非揮発性分子を高真空中に分子ビームとして取り出す手法を開発
  6. 癸巳の年、世紀の大発見
  7. ケミストリ・ソングス【Part1】
  8. デヴィッド・リー David A. Leigh
  9. 材料・製品開発組織における科学的考察の風土のつくりかた ー マテリアルズ・インフォマティクスを活用し最大限の成果を得るための筋の良いテーマとは ー
  10. 徹底比較 特許と論文の違い ~その他編~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

CIPイノベーション共創プログラム「未来の医療を支えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第105春季年会(2025)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「未来の医療…

OIST Science Challenge 2025 に参加しました

2025年3月15日から22日にかけて沖縄科学技術大学院大学 (OIST) にて開催された Scie…

ペーパークラフトで MOFをつくる

第650回のスポットライトリサーチには、化学コミュニケーション賞2024を受賞された、岡山理科大学 …

月岡温泉で硫黄泉の pH の影響について考えてみた 【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい! というわけで、硫黄系温泉を巡る旅の後編です。前回の記事では群馬県草津温泉をご紹…

二酸化マンガンの極小ナノサイズ化で次世代電池や触媒の性能を底上げ!

第649回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院環境科学研究科(本間研究室)博士課程後期2年の飯…

日本薬学会第145年会 に参加しよう!

3月27日~29日、福岡国際会議場にて 「日本薬学会第145年会」 が開催されま…

TLC分析がもっと楽に、正確に! ~TLC分析がアナログからデジタルに

薄層クロマトグラフィーは分離手法の一つとして、お金をかけず、安価な方法として現在…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー