[スポンサーリンク]

ケムステニュース

液中でも観察OK 原子間力顕微鏡: 京大グループ開発

[スポンサーリンク]

Atomic Force Microscope 京都大工学研究科の山田啓文助教授松重和美教授らのグループは9日、液中にある試料の表面構造を一ナノメートル(ナノは10億分の1)よりも小さなサイズまで観察できる高分解能の原子間力顕微鏡(AFM)を開発したと発表した。生体内にあるままの状態でタンパク質分子の構造や動きをとらえることが可能で、生体分子の機能解明などさまざな応用が期待できるという。 (引用:京都新聞

 

原子間力顕微鏡(AFM, Atomic Force Microscope)カンチレバー(cantilever)と呼ばれる探針を原子レベルの距離まで近づけるたり、付着させたりすると試料表面との間に引力や斥力が働きます(原子間力)。さらに、探針を表面に沿ってなぞる(走査する)ことで、表面の凹凸像を書き出します。

 

固体試料ー探針間に電圧を印加した時に流れるトンネル電流が一定になるようにしながら、探針で表面を走査する走査トンネル顕微鏡(STM,Scanning Tunneling Microscope)と異なり、AFMは原子間力を利用して像を映し出しているため絶縁体の像も見ることができます。

 

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4924890189″ locale=”JP” title=”走査型トンネル顕微鏡/原子間力顕微鏡 利用技術集成”][amazonjs asin=”4274214133″ locale=”JP” title=”走査型プローブ顕微鏡入門”]

ナノテクノロジー領域の根幹である走査プローブ顕微鏡の解説書。200以上の画像データや概略図から、その精密さの仕組みや、幅広い分野での有効的な活用例を学ぶ。

 

外部リンク

  • 「走査プローブ顕微鏡,SPM」-ナノエレクトロニクス

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 相次ぐ海外化学企業の合併
  2. 相原静大教授に日本化学会賞 芳香族の安定性解明
  3. アラン・マクダイアミッド氏死去
  4. 水溶性ニッケル塩を利用したグリーンな銅ナノ粒子合成法の開発
  5. 2010年日本化学会各賞発表-進歩賞-
  6. 氷河期に大量のメタン放出 十勝沖の海底研究で判明
  7. 英グラクソスミスクライン、抗ウイルス薬を大幅値引きへ
  8. 配糖体合成に用いる有機溶媒・試薬を大幅に削減できる技術開発に成功…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 【書籍】タンパク質科学 生物物理学的なアプローチ
  2. Micro Flow Reactorで瞬間的変換を達成する
  3. ノルゾアンタミンの全合成
  4. 根岸カルボメタル化 Negishi Carbometalation
  5. エステルを使った新しいカップリング反応
  6. 第65回―「タンパク質代替機能を発揮する小分子の合成」Marty Burke教授
  7. 宮坂 力 Tsutomu Miyasaka
  8. 結合をアリーヴェデルチ! Agarozizanol Bの全合成
  9. 分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学
  10. 第12回化学遺産認定~新たに3件を認定しました~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP