微生物はいろいろな物質をつくる。その中に他の微生物の生育をはばむものがある。それが薬に利用される抗生物質だ。英国のフレミングのペニシリン発見(1929年)以来、見つかった抗生物質は数万。日本でいま使われているのは約160種類(成分数)ある。
抗生物質は、ヒトにはなくて細菌にはあるものを標的にする。たとえば、多くの細菌は、細胞の壁を作る材料が網目状になっているが、これはヒトにはない。ペニシリン系やセフェム系の抗生物質は、材料が網目状になるのをじゃまする。すると、細菌は育たず、ヒトには影響がない。細菌特有のたんぱく質や核酸合成酵素を抑える抗生物質もある。
抗生物質の標的と似たものがヒトにあると、副作用につながる場合がある。
よく誤解されるが、風邪の9割はウイルスが原因。ウイルスは通常の生物ではないので抗生物質は効かない。ただ、細菌による可能性も考えて、抗生物質を処方する医師もいる。
最近、問題となっているのが抗生物質に抵抗力を持った細菌「耐性菌」が増えていることだ。原因として抗生物質の使いすぎが指摘されている。(引用:朝日新聞)
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