[スポンサーリンク]

ケムステニュース

豊丘出身、元島さんCMC開発

[スポンサーリンク]

豊丘村伴野出身で岐阜大学教授の元島栖二さん(63・岐阜市在住)は、このほど21世紀の新素材として注目される「カーボンマイクロコイル」(CMC)を世界で初めて発見・開発し、その功績で文部科学大臣から科学技術大賞(研究部門)を受賞した。この快挙を祝い、6月4日に栖二さんを迎えて親族、友人らが飯田市内で祝賀会を予定している。

 元島さんは飯田高校卒業後、名古屋工業大工業化学科に進学。卒業後は同大学院に進み、修士課程で工業化学を専攻した。その後、東亜合成化学工業に入社したが、4年後に岐阜大工学部に迎えられ、合成化学科助手に。

 82年に助教授、90年に同学部応用化学科教授に就任した。実兄の陽一さん(66)によると、大学院を経て企業に就職したが、技術を確立しても実用化されない日々が続き、本人は「大学で基礎研究をしたい」との思いが強かったという。

 岐阜大に転職したのは、空きがあった専門外の無機化学の分野だった。が、臆することなく好きな研究に没頭した。しばらくして、セラミックの結晶を合成する過程で「らせん構造」と出会い、89年にマイクロヘリカル状の窒化ケイ素ファイバーを開発。この研究論文はイギリスの専門雑誌「ネイチャー」に紹介された。

 90年、カーボンマイクロコイル(CMC)の合成に世界で初めて成功し、これを機にCMCのナノコイル実用化に向けて精力的な研究・開発に励んでいる。(引用:南信州サイバーニュース

 

 カーボンマイクロコイル(CMC, carbon microcoils)とは「約1/1000 mm(マイクロオーダー)のピッチでコイル状に巻いた非晶質の炭素繊維」と定義されているようです。 微量の硫黄化合物を含むアセチレンガスを熱分解して得られます。最近注目されているナノテクであるカーボンナノチューブはナノ単位で構成されていますが、CMCはそれよりも大きくまマイクロ単位です。実際のコイルと同じように伸び縮みし、10倍に伸ばしても元に戻ります。現在はCMCのナノ単位のコイル、ナノコイルを合成することに成功しています。 将来、マイクロセンサーやマイクロマシン、水素吸蔵材料などとして利用できるか研究を行っているところです。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4774139041″ locale=”JP” title=”マイクロセンサ工学 (現場の即戦力)”][amazonjs asin=”4526043354″ locale=”JP” title=”マイクロマシン革命―日本発超微小機械の衝撃”]

 

関連リンク

カーボンマイクロコイルの製造技術

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. LG化学がグローバルイノベーションコンテストを開催へ
  2. トレハロースが癒着防止 手術に有効、東大など発表
  3. 室温で液状のフラーレン
  4. 世界最高速で試料回転を行う固体NMRプローブを開発 -超微量の生…
  5. 114番元素と116番元素が正式認可される
  6. 脱法ドラッグ、薬物3成分を初指定 東京都
  7. 住友化学が通期予想据え置き、カギ握る情報電子化学の回復
  8. 甘草は虫歯を予防する?!

注目情報

ピックアップ記事

  1. サミュエル・ダニシェフスキー Samuel J. Danishefsky
  2. インドール一覧
  3. アスピリンから多様な循環型プラスチックを合成
  4. 動的な軸不斉を有する大環状ホスト分子
  5. リガンド革命
  6. クリストフ・レーダー Christoph Rader
  7. 外部の大学院に進学するメリット3選
  8. 水素社会実現に向けた連続フロー合成法を新開発
  9. 【日産化学】画期的な生物活性を有する新規除草剤の開発  ~ジオキサジン環に苦しみ、笑った日々~
  10. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」①

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

ディストニックラジカルによる多様なアンモニウム塩の合成法

第643回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の木之下 拓海(きのした …

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー