林原生物化学研究所(岡山市)は11日、ビタミンPの一種に糖を結合させた物質に、血液中の中性脂肪を減らす作用を確認したと発表した。現在も食品の原料に使われているが、動脈硬化予防に役立つとして医薬品などへの応用も検討する。
ビタミンPは血管強化などの作用があるとされる。同研究所は糖と結合させて水溶性を高め、吸収しやすくした「糖転移ヘスペリジン」を開発した。成人男性25人で実験。500ミリグラムを6カ月間毎日摂取し、高脂血症の人は中性脂肪が平均3割減少。正常値の人はほとんど影響がなかった。
肝臓細胞で調べると、この物質によって中性脂肪の分泌が制御されていた。(引用:中国新聞)
ヘスペリチン(hesperetin)はみかんなどに含まれる物質で、ヘスペリジン(ビタミンP)のアグリコン(フェノール部位に糖鎖がついていないもの)です。構造はいわゆるポリフェノールといわれるフェノール水酸基を多数有しており類似した構造にお茶に含まれるカテキンなどがあります。よくみかんの身より、皮、スジや袋などに栄養が含まれているんだよといわれますがこの物質もそちらの方が多く含まれています。
関連書籍
中性脂肪・高脂血症これで安心―脳卒中、狭心症、心筋梗塞にならないために
生活の欧米化で急増する生活習慣病、中性脂肪・高脂血症の予防、治療の食事、運動が一目でわかる。名医が贈る、一病息災の生活ガイド。無理せず痩せられる一週間献立表付き。
関連リンク
ウーロン茶に新薬開発の夢 県立大グループが新成分発見
ビタミンのお話
ヘスペリジン(ビタミンP)とは
冬のくだものの王様と言えば“みかん”。
みかんはカゼのくすりとしても昔から珍重されてきました。カゼをひいてしまった場合には、みかんの皮(陳皮:チンピ)5~10gを細かく刻み、これに熱湯を注ぎ、砂糖を少々加えて一日に3回ほど飲むと良いと言われています。