[スポンサーリンク]

ケムステニュース

アミノ酸「ヒスチジン」が脳梗塞に有効――愛媛大が解明

[スポンサーリンク]

ヒスチジン【高松】愛媛大学の研究グループは、脳梗塞(こうそく)の急性期の治療にアミノ酸の一種「ヒスチジン」が有効であることを突き止めた。ヒスチジンを点滴などで投与すると脳内で生体活性物質「ヒスタミン」に分解され、脳組織の死滅を抑制することを動物実験で確認した。

 ラットを使った実験で、脳への血流を2時間中断してからヒスチジンを2回投与した結果、脳組織の死滅をほぼゼロに抑えた。血栓などで一度血流が止まると、再開しても炎症が起こり脳組織が死に始める。ヒスタミンの持つ炎症抑制作用がこれを防ぐと同大はみている。 (引用:日本経済新聞


最近、アミノ酸が~が使える!~に効く!という話が、学術でも一般の話題でも多いですね。なぜ、今になってこのような昔から知られているアミノ酸がブームになっているのでしょう?


そもそも、アミノ酸のなかでも必須アミノ酸と呼ばれるものは体の中で合成できないが、生きていくためには必要なものであるため、それなりに摂取なければならないのは当然のことです。今回はちょっと最近のアミノ酸の利用についていくつか紹介したいと思います。

 

プロリン

プロリン:2000年にListらによって直接的分子間アルドール反応の触媒として利用できることが報告されて以来、ここ数年研究分野で非常に注目を集めている。安価で容易に得られまた金属を用いないため環境にもやさしく、多くの研究がなされている。(もっとも単純な触媒「プロリン」

ロイシンロート製薬がα-リポ酸とロイシンを併用することにより脂肪細胞への脂肪蓄積を格段に抑制することを実証したと報告している。(α‐リポ酸の脂肪蓄積抑制作用を高める効果を実証)

メチオニンとリジン

メチオニン、リジン:メチオニンには肝臓から脂肪を運び出す働きがあります。リジンはブドウ糖の代謝促進や体組織・カルシウム吸収との関係が報告されています。最近テレビで話題になったL-カルニチンL-carnitineはメチオニンとリジンから主に肝臓や腎臓(一部脳で)で1日100mg程度生合成される アミノ酸の仲間です。

カルニチン

まだまだ、研究でも日常でもこのブームは続きそうですね。

関連書籍


アミノ酸の科学

なぜこんなにアミノ酸が注目される?本当に体にいい?足りないとどうなる?摂りすぎたらどうなる?アミノ酸が人間の体内でどんな働きをしているのかをわかりやすく解説することで、幅広く活用されるアミノ酸の「力」を明らかにする。


アミノ酸セミナー

アミノ酸についてより深く知りたいと思っている人、栄養や薬学・医学を専門としている人を対象に、アミノ酸に関する各分野の権威が最近のトピックスを紹介。栄養とアミノ酸、生命とアミノ酸、皮膚とアミノ酸等、全6章構成。

関連商品

アミノバイタル プロ 120袋入「アミノバイタル プロ 120袋入」は、1袋に分岐鎖アミノ酸(BCAA)をはじめ、グルタミン、アルギニンなど、12種類のアミノ酸を3600mg配合。更に10種類のビタミン、2種類のミネラルを配合した粉末状の栄養食品です。

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 三菱ウェルと田辺合併 後発薬に新規参入
  2. 高校生が河川敷で化学実験中に発火事故
  3. ノーベル化学賞:下村脩・米ボストン大名誉教授ら3博士に
  4. 脱法ドラッグ、薬物3成分を初指定 東京都
  5. 自動車のスリ傷を高熱で自己修復する塗料
  6. ミツバチの活動を抑えるスプレー 高知大発の企業が開発
  7. 植物性油の再加熱によって毒物が発生
  8. マンダム、不快刺激が少なく持続的な清涼成分を発見 ~夏をより快適…

注目情報

ピックアップ記事

  1. アステラス病態代謝研究会 2019年度助成募集
  2. 2017年ケムステ人気記事ランキング
  3. 光親和性標識 photoaffinity labeling (PAL)
  4. ケムステV年末ライブ2022を開催します!
  5. 第一製薬、仏サノフィに脳梗塞予防薬の営業権を返還
  6. Nanomaterials: An Introduction to Synthesis, Properties and Applications, 2nd Edition
  7. 実験ノートを復刻し公開へ 高峰譲吉らのアドレナリン
  8. 林 雄二郎 Yujiro Hayashi
  9. 新たな要求に応えるために発展するフッ素樹脂の接着・接合技術
  10. ウィリアム・ロウシュ William R. Roush

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年4月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年4月号がオンラインで公開されています!…

第57回若手ペプチド夏の勉強会

日時2025年8月3日(日)~8月5日(火) 合宿型勉強会会場三…

人工光合成の方法で有機合成反応を実現

第653回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構 野依特別研究室 (斎藤研…

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー