[スポンサーリンク]

ケムステニュース

ガ求愛行動:性フェロモンを解明 東大など

[スポンサーリンク]

カイコガの求愛行動で、雌が出す性フェロモンを雄が感じる際、その感度を数百倍に上げているたんぱく質を東京大と京都大の共同研究チームが見つけた。ガは数キロ離れた雌の居場所を知ることができるが、その超高感度センサーの仕組みの一端が解明された。4日発行の米科学誌「サイエンス」電子版に発表した。

 カイコガは養蚕に使うカイコの成虫。東京大の東原和成・助教授(先端生命科学)らは、受容体を持つ雄の触角の感覚器(感覚毛)を詳しく調べ、どの感覚毛にも存在するが、センサーとして働いていない「BmOR2」というたんぱく質に着目した。

 代表的な性フェロモン「ボンビコール」の受容体遺伝子をカエルの卵細胞に組み込み、BmOR2がある場合とない場合とで、受容体の感度を電気信号に置き換えて比べた。その結果、BmOR2がある場合は、ない場合より数百倍、性フェロモンに対して敏感だった。(引用:毎日新聞)

ボンビコールは非常に有名なフェロモンです。フェロモンの名前の由来はギリシャ語のpherein(運ぶ)とhormon(興奮させる)という意味からpheromoneとされているそうです。ちなみに私のHN、ブレビコミンもキクイムシという虫のフェロモンです。

11月にも類似のニュースが報告されており紹介しました。

性フェロモン感じる遺伝子、ガで初発見…京大グループ

前にも言いましたがフェロモンって分子量が小さく、飛んでしまうものですから単離も合成も非常に大変です。フェロモンの話には多くのサイエンス的に面白い話がありますね。今後紹介したいと思います。

関連書籍

 


性フェロモン―オスを誘惑する物質の秘密

 

五十万をこえるカイコガ、一万近いゴキブリ。その飼育が化学者たちのスタートラインだった。昆虫の「処女」から抽出された不思議な物質…。構造の解明から害虫駆除への応用まで、四十年の研究史を平易に解説する。

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 武田薬品、14期連続で営業最高益に
  2. 潤滑剤なしで抜群の滑りを実現する「自己潤滑性XXドーム」が開発さ…
  3. 後発医薬品、相次ぎ発売・特許切れ好機に
  4. トクヤマが参入へ/燃料電池部材市場
  5. 「携帯」の電池で電車走る・福井大などが実験に成功
  6. タンニンでさび防ぐ効果 八王子の会社
  7. 始まるPCB処理 利便性追求、重い代償
  8. 人名反応から学ぶ有機合成戦略

注目情報

ピックアップ記事

  1. アカデミックから民間企業へ転職について考えてみる 第三回
  2. カルボラン carborane
  3. 既存の農薬で乾燥耐性のある植物を育てる
  4. 非リボソームペプチド Non-Ribosomal Peptide
  5. ちっちゃい異性を好む不思議な生物の愛を仲立ちするフェロモン
  6. クマリンを用いたプロペラ状π共役系発光色素の開発
  7. アフマトヴィッチ反応 Achmatowicz Reaction
  8. マテリアルズ・インフォマティクスの基礎知識とよくある誤解
  9. 114番元素生成の追試に成功
  10. 2009年1月人気化学書籍ランキング

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

注目情報

最新記事

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP