[スポンサーリンク]

ケムステニュース

カーボンナノペーパー開発 信州大、ナノテク新素材

[スポンサーリンク]

ナノテク素材として注目される極細の筒状炭素物質カーボンナノチューブが二重になった「2層カーボンナノチューブ」を、薄いシート状の「カーボンナノペーパー」に加工する技術を遠藤守信信州大教授とメキシコ、米国の共同チームが開発、3日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 2層カーボンナノチューブは直径1―2ナノメートル(1ナノは100万分の1ミリ)のチューブ内にもう1つチューブが入った構造で、できたナノペーパーは直径約3センチの円形で厚さ約0.2ミリ。 省エネ型液晶ディスプレーの素材などとして実用化が期待されているが、高純度で作ることが難しかった。遠藤教授は「量産化の方法も検討したい」と話している。

 チームはまず、鉄を触媒にしてカーボンナノチューブを合成する際、モリブデンを補助的な触媒として使い、単層のナノチューブと2層ナノチューブの混合物を作った。(引用:共同通信

 

2層カーボンナノチューブ(Double-walled carbon nanotubes、DWNTs)。有機化合物ではないのですが、合成屋さんとしてはどのように作っているかちょっと気になります。そこでNatureの実験項見てみました。
酸化アルミニウムの粉と5wt%のモリブテン触媒(H24Mo7N6O24.4H2O、Trost酸化と同じだ。 )のエタノール溶液を超音波にかけて100-110℃で減圧留去。乳棒つかって粉にしてアンモニウム鉄のクエン酸塩(Ammonium ferric citrate)と酸化マグネシウムを用意して、反応炉で875℃反応させる。そのときFe/MgO(ナノチューブ触媒)は真ん中において、Mo/Al2O3(今回の触媒)は手前においておく。そこに炭化水素を10分間流す。(CH4+Ar mixture, 1:1)。室温に戻したら出来上がりというわけですか。ふむふむ。あんまり想像できないですね。<emoji:feel_down>

 

関連書籍 

[amazonjs asin=”4320044258″ locale=”JP” title=”カーボンナノチューブ・グラフェン (最先端材料システムOne Point 1)”][amazonjs asin=”4781304362″ locale=”JP” title=”カーボンナノチューブの機能化・複合化技術 (CMCテクニカルライブラリー―新材料・新素材シリーズ)”][amazonjs asin=”4764950251″ locale=”JP” title=”ナノカーボン: 炭素材料の基礎と応用 (シリーズ:未来を創るナノ・サイエンス&テクノロジー)”]

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 自律的に化学実験するロボット科学者、研究の自動化に成功 8日間で…
  2. 市販の新解熱鎮痛薬「ロキソニン」って?
  3. 京都の高校生の学術論文が優秀賞に輝く
  4. 浅野・県立大教授が化学技術賞
  5. 「化学五輪」準備組織が発足、委員長に野依氏
  6. メガネが不要になる目薬「Nanodrops(ナノドロップス)」
  7. 第35回安全工学シンポジウム
  8. 抗精神病薬として初めての口腔内崩壊錠が登場

注目情報

ピックアップ記事

  1. 分子糊 モレキュラーグルー (Molecular Glue)
  2. 肥満防止の「ワクチン」を開発 米研究チーム
  3. 大阪大学インタラクティブ合宿セミナーに参加しました
  4. ジェームス・ツアー James M. Tour
  5. PACIFICHEM2010に参加してきました!②
  6. アブラナ科植物の自家不和合性をタンパク質複合体の観点から解明:天然でも希少なSP11タンパク質の立体構造予測を踏まえて
  7. フリッツ・フェクトレ Fritz Vögtle
  8. 炭素原子のまわりにベンゼン環をはためかせる
  9. グラフィカルアブストラクト付・化学系ジャーナルRSSフィード
  10. 有機合成化学協会誌2024年6月号:四塩化チタン・選択的フッ素化・環境調和型反応・インデン・インダセン・環状ペプチド

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP