次世代ディスプレーへの応用が期待される「エレクトライド(電子化化合物)」と呼ばれる化合物を簡単に大量生産する方法を、東京工業大フロンティア創造共同研究センターの細野秀雄教授らが見つけ、米国化学会雑誌に発表した。
エレクトライドは、2種類の原子が結びつく際、陽イオンと陰イオンではなく、陽イオンと電子が結合して出来る物質だ。電圧をかけると電子が簡単に出てくることを利用して電子部品への応用が模索されているが、大量生産できないことが難点だった。
細野教授らは、酸化アルミニウム(アルミナ)と生石灰を溶かし、ゆっくりと冷やし固めると、アルミニウムとカルシウムが結合したエレクトライドが作れることを見つけた。この材料の組み合わせでセメントやガラスもできるが、これらが「絶縁体」であるのに対し、エレクトライドに加工すると電気をよく通す。今回の発見により、従来10日以上かかっていたのが2時間で作れるようになった。(引用:毎日新聞)
アメリカ化学会誌(Jornal of the American Chemical Society)に報告されています。(Hosono et al, J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 1370)
細野教授らは「透明で曲げられる高性能トランジスタ」を開発し昨年Nature に報告している他、ここ数年にNature、Scienceに何報か報告しているかなりアクティブな方たちです。
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