最も注目されているのは、5―FUを改良した新薬「TS―1(ティーエス・ワン)」だ。がん細胞の増殖を抑える効果が血液の中で長時間持続し、胃や腸など消化管に対する副作用は軽減するよう工夫されている。点滴や注射ではなく、朝夕の1日2回飲む錠剤タイプで、患者の身体的な負担も少ない。
TS―1と他の抗がん剤を組み合わせた治療結果について、日本癌治療学会で「抗がん剤適正使用ガイドライン」の作成に携わる都立駒込病院(東京都文京区)の佐々木常雄副院長は「目を見張るものがある」と語る。
例えば、シスプラチンという従来の抗がん剤と組み合わせた場合、がんの大きさが治療前の半分以下になり、その効果が1カ月以上続く割合(奏効率)は76%に上ったという。手術ができない進行がんでは、従来の抗がん剤と比べて生存期間が2倍以上になったとの報告もある。(引用:日本経済新聞)
TS-1とは大鵬薬品の飲み薬として使用できる抗がん剤です。テガフール:ギメスタット:オタスタットカリウム=1:0.4:1で配合されています。