「これは効く。信じる気持ちが無ければ、薬草は効き目がない」。博物研究会(越村建治会長)主催の初めての薬草講座が二十八日午前九時から、聖市サウーデ区の東京農大会館であった。秋末剛吉ブラガンサ・パウリスタ・サンフランシスコ大学薬学部教授(元USP教授)が「薬草の効果と品質管理」をテーマに講演。約百人が聴講した。
例えばグァサトンガは胃腸薬に、エルバ・ドーセは鎮静剤、ジャボランディは目薬になる。しかし、「植物に含まれる各種の成分の働きによって、効果が現われるのが薬草の特徴。成分の一つだけを取り出して利用した薬は、化学薬品になってしまう」。
薬効は、時期、気候、土壌などに大きく左右される。カモミーラは、花が咲いて枯死する直前に採取したらよいという。
秋末教授はエッセンシャル・オイルを抽出する装置を持込んで、その機能などについて説明。植物性の医薬品やエルバ・ドーセ、フンションのサンプル・オイルを回した。ユーモアなども交え、聴衆をぐいぐい話に引き込んでいった。(引用 ニッケイ新聞)
薬草は非常に多くの天然物を含んでいます。これらの天然物の構造や生理活性、薬理機構には非常に興味がありますが、元々はそんなものわからないでも経験的にこれは~に効く、これはこういうときによいなどと言われてきました。もちろんすべてが本当だとは思いませんが、実際に化合物を単離し、その生理活性を確かめることによって明らかにすることができます。
「成分の一つだけを取り出して利用した薬は、化学薬品になってしまう」はちょっといいすぎですね。天然物であろうと合成品であろうと構造が同じであれば同じ効果があります。もちろん何種類かの化合物でその薬理効果があったり、その化合物はまわりの化合物で安定化されていてその中でしか安定に存在できないという場合は別ですが。
例えばカモミールにはフラボノイド系の天然物が多く入っています。鎮静作用のあるアピゲニンは知られている化合物です。(右図)
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