[スポンサーリンク]

ケムステニュース

三菱商事ナノテク子会社と阪大院、水に濡れるフラーレンを共同開発

[スポンサーリンク]

三菱商事のナノテク子会社であるビタミンC60バイオリサーチ(東京都千代田区)と大阪大学大学院は共同で、60個の炭素原子がサッカーボール状に結合したフラーレンの炭素原子に水酸基(OH-)を多数修飾することで水溶性になったスーパーポリ水酸化フラーレンの開発に成功した。阪大大学院工学研究科物質化学専攻の大島巧教授の研究グループとの共同研究の成果である。工学研究科内に設けられた産学連携機関の阪大フロンティア研究機構(阪大FRC)を通しての共同研究である。

このスーパーポリ水酸化フラーレンは、人体に有害な活性酸素を効率的に消去することも見出している。活性酸素を抑えるポリフェノールに似た分子構造があると推論されている。今後、ビタミンC60バイオリサーチはスーパーポリ水酸化フラーレンの化粧品成分機能を評価し、製品化する。化学工学向けの用途開発も進める計画。(引用: nikkeibp.jp)

 

どうやってやったんだろう?すごいですね。フラーレンDiels-Alder反応やっている例などもよく見られるが、フラーレンを装飾することはどんな意味があるのだろうか?

 

今すぐは応用できないかもしれないが、このような分子を利用する場は多くでてくることでしょう。それ以上に夢がありますね。超分子の分野はその応用というだけでなく、聞いていても面白い。穴あきフラーレンとか、座布団分子、さいころ分子など。関連リンクに非常に参考になるページを入れておきます。ちょっと短いですが疲れたのでまた今度。

 

関連リンク

「超分子化学」(Supramolecular chemistry)という分野があります。正確な定義はかなり難しいのですが、まあ筆者流に噛み砕いて言ってしまえば「いくつかの分子やイオンが組み合わさることによって発揮される、ひとつの分子では見られないような面白い機能を研究する分野」ということになります・・・

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4815806691″ locale=”JP” title=”フラーレンとナノチューブの科学”][amazonjs asin=”4781303617″ locale=”JP” title=”ナノカーボンの応用と実用化―フラーレン・ナノチューブ・グラフェンを中心に (新材料・新素材シリーズ)”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 高知大が新エコ材料開発へ 産官共同プロジェクト
  2. タンニンでさび防ぐ効果 八王子の会社
  3. 高校生が河川敷で化学実験中に発火事故
  4. 房総半島沖350キロに希少金属 広範囲に
  5. EUのナノマテリアル監視機関が公式サイトをオープン
  6. 100兆分の1秒を観察 夢の光・XFEL施設公開
  7. スイス連邦工科大ジーベーガー教授2007年ケーバー賞を受賞
  8. 「富士フイルム和光純薬」として新たにスタート

注目情報

ピックアップ記事

  1. ルテニウム触媒によるC-C結合活性化を介した水素移動付加環化型カップリング
  2. Pdナノ粒子触媒による1,3-ジエン化合物の酸化的アミノ化反応の開発
  3. ジョン・トーソン Jon S. Thorson
  4. 伊藤 幸裕 Yukihiro Itoh
  5. 分子モーター Molecular Motor
  6. 二酸化炭素をメタノールに変換する有機分子触媒
  7. N-カルバモイル化-脱アルキル化 N-carbamoylation-dealkylation
  8. オゾンホールのさらなる縮小を確認 – アメリカ海洋大気庁発表
  9. ギース ラジカル付加 Giese Radical Addition
  10. MOF-5: MOF の火付け役であり MOF の代名詞

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2004年10月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP