[スポンサーリンク]

ケムステニュース

「田中さん惜しかった」--分解酵素「プロテアソーム」を精製

[スポンサーリンク]

ユビキチン関連の研究では、東京都臨床医学総合研究所の田中啓二副所長(55)が酵素の「プロテアソーム」の発見という世界的な業績を残している。専門家からは「田中さんの研究もノーベル賞級だ。惜しかった」との声が出ている。

 田中さんはユビキチンがたんぱく質と結合しただけでは分解されず、分解には未知の物質が不可欠だと指摘した。その後、ユビキチンが結合した不要たんぱく質を分解する酵素の精製に成功し、88年にこれを「プロテアソーム」と名付けた。(引用:毎日新聞

 

毎年、このような話題はでてきますね。例えば昨年の医学生理学賞は磁気共鳴画像装置(MRI)の基礎を築いたひとが受賞だそうですが、この受賞にニューヨークの米国人医学者がきれて、「自分こそ同賞を受賞する権利がある」と主張し、ニューヨーク・タイムズなど米有力紙に授賞決定の訂正を求める異例の意見広告を出しましたよね。2001年の野依先生が化学賞を取ったときのKaganもこの分野なら絶対有力視されていた一人にもかかわらず受賞はなりませんでした。

 

これは発見者に賞を与えるというノーベル賞の原則の他に、なにに対して与えるかにもよると思います。どっちにしても覆らないと思うので、また、ノーベル賞をとるために研究やっているわけでもないからどうしようもないです。

 

難しいところですが、ノーベル財団としては受賞者の賞金と同じぐらいのお金をかけて調査しているということです。とにかく、候補に上がった人はどちらにしてもその分野を作ったぐらいえらい(すごい)ひとでなくてはならず、それだけでも立派なわけです。受賞はともかく、ノーベル賞の候補にあがるような研究をしてみたいと思います。

関連書籍

[amazonjs asin=”4758102880″ locale=”JP” title=”細胞内の輪廻転生タンパク質の分解機構―ユビキチン,プロテアソーム,オートファジー,プロテ (実験医学増刊 Vol. 26-2)”][amazonjs asin=”4320056442″ locale=”JP” title=”ユビキチン‐プロテアソーム系とオートファジー―作動機構と病態生理”]

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 200MHzのNMRが持ち歩けるって本当!?
  2. 100兆分の1秒を観察 夢の光・XFEL施設公開
  3. 旭化成ファーマ、北海道に「コエンザイムQ10」の生産拠点を新設
  4. アンモニアで走る自動車 国内初、工学院大が開発
  5. 特許資産規模ランキング トップ3は富士フイルム、LG CHEM、…
  6. 国際化学オリンピック2023が開催:代表チームへの特別インタビュ…
  7. 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正す…
  8. 水溶性ニッケル塩を利用したグリーンな銅ナノ粒子合成法の開発

注目情報

ピックアップ記事

  1. シュガーとアルカロイドの全合成研究
  2. ジェニファー・ダウドナ Jennifer Doudna
  3. [2+2]光環化反応 [2+2] Photocyclization
  4. 東京理科大学みらい研究室にお邪魔してきました
  5. 緑色蛍光タンパク Green Fluorescent Protein (GFP)
  6. ノーベル化学賞は化学者の手に
  7. 第32回 BMSコンファレンス(BMS2005)
  8. 第97回日本化学会春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part II
  9. アルカロイドの大量生産
  10. バートン ヨウ化ビニル合成 Barton Vinyl Iodide Synthesis

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2004年10月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

第57回若手ペプチド夏の勉強会

日時2025年8月3日(日)~8月5日(火) 合宿型勉強会会場三…

人工光合成の方法で有機合成反応を実現

第653回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構 野依特別研究室 (斎藤研…

乙卯研究所 2025年度下期 研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

次世代の二次元物質 遷移金属ダイカルコゲナイド

ムーアの法則の限界と二次元半導体現代の半導体デバイス産業では、作製時の低コスト化や動作速度向上、…

日本化学連合シンポジウム 「海」- 化学はどこに向かうのか –

日本化学連合では、継続性のあるシリーズ型のシンポジウムの開催を企画していくことに…

【スポットライトリサーチ】汎用金属粉を使ってアンモニアが合成できたはなし

Tshozoです。 今回はおなじみ、東京大学大学院 西林研究室からの研究成果紹介(第652回スポ…

第11回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

第12回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・…

新たな有用活性天然物はどのように見つけてくるのか~新規抗真菌剤mandimycinの発見~

こんにちは!熊葛です.天然物は複雑な構造と有用な活性を有することから多くの化学者を魅了し,創薬に貢献…

創薬懇話会2025 in 大津

日時2025年6月19日(木)~6月20日(金)宿泊型セミナー会場ホテル…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー