エリック・ベッツィグ (Eric Betzig、1960年1月13日-)は、アメリカの物理化学者である。ハワード・ヒューズ医科研究所 ジャネリアファーム リサーチキャンパス グループリーダー(写真:Frontline)。
経歴
1983 カリフォルニア工科大学 卒業
1988 コーネル大学 博士号取得 (Michael Isaacson教授)
1988-94 AT&T ベル研究所 技術スタッフ
1994-96 NSOMエンタープライズ オーナー
1996-2002 アナーバー・マシーン・カンパニー R&D副所長
2002-05 ニュー・ミレニアム・リサーチ オーナー
2005 ハワード・ヒューズ医科研究所 グループリーダー
受賞歴
1992 R&D 100 Award
1992 William L. McMillan Award
1993 National Academy of Sciences Award for Initiatives in Research
2014 ノーベル化学賞
研究概要
超解像度光学顕微鏡を用いる単一分子バイオイメージング法の開発
回折限界よりも高い分解能で顕微鏡像を得る方法の一つ、現在では超解像光活性化局在顕微鏡(PALM)/確率論的光学再構成顕微鏡(STORM)と呼ばれる手法を考案。[1-3]
活性化によって蛍光を発するようになる分子プローブ(蛍光タンパク・蛍光色素など)を細胞内に発現させ、回折限界距離よりも離れた位置にある分子だけ励起されるよう工夫する。これを繰り返すことで、各プローブの位置を高精度に特定できる。複数の異なる光活性化分子を用いることで多重染色も行える。ただし像取得に時間がかかるため、ライブイメージングには用いることができない。
PALM/STORM法により10nmオーダー分解能での光学顕微鏡像を得ることができるようになり、生細胞内の微細構造や分子レベルでの生体挙動観測が可能になった。
(画像:Huang lab)
超解像顕微鏡技術を用いるバイオイメージング法の開拓が評価され、Hell, Moernerとともに2014年のノーベル化学賞を受賞した。
コメント&その他
名言集
関連動画
関連文献
[1] Betzig, E.; Patterson, G. h.; Sougrat, R.; Lindwasser, O. W.; Olenych, S.; Bonifacino, J. S.; Davidson, M. W.; Lippincott-Schwartz, J.; Hess, H. F. Science 2006, 313, 1642. doi:10.1126/science.1127344[2] Rust, M. J.; Bates, M.; Zhuang, X. Nat. Methods 2006, 3, 793. doi:10.1038/nmeth929
[3] Hess, S. T.; Giriajan, T. P.; Mason, M. D. Biophys. J. 2006, 91, 4258. doi:10.1529/biophysj.106.091116
関連書籍
[amazonjs asin=”3527293167″ locale=”JP” title=”Single-Molecule Optical Detection, Imaging and Spectroscopy”][amazonjs asin=”3527316698″ locale=”JP” title=”Handbook of Fluorescence Spectroscopy and Imaging: From Ensemble to Single Molecules”]