[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

安達 千波矢 Chihaya Adachi

[スポンサーリンク]

安達 千波矢 (あだち ちはや、1963年10月26日-)は日本の有機化学者、材料化学者である。九州大学教授。

経歴

1991 九州大学大学院総合理工学研究科 博士課程修了
1991 リコー化成品技術研究所 研究員
1996 信州大学線維学部 助手
1999 プリンストン大学 研究員
2001 千歳科学技術大学光科学部 助教授
2004 千歳科学技術大学光科学部 教授
2005 九州大学 未来化学創造センター 教授
2010 九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター長・主幹教授

兼任
2002 CREST研究代表者
2013 ERATO安達分子エキシトン光学プロジェクト 研究総括

 

受賞歴

2003 第2回船井情報科学振興財団新興賞
2003 第1回 応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会論文賞
2007 文部科学大臣表彰 科学技術賞(文部科学省)
2014 2014 SID Fellow Awards
2016 第4回リサーチフロントアワード
2017 仁科賞
2019 Highly Cited Researcher2018 選出
2020 Highly Cited Researcher2019 選出

研究業績

有機エレクトロニクス分野で世界最先端の研究を行う化学者の一人。

熱活性化遅延蛍光(TADF)に基づく発光材料の開発

三重項状態と一重項状態のエネルギーギャップを極限まで小さくすることで両者のエネルギー移動を容易にし、三重項状態のエネルギーを一重項経由で蛍光として取り出すことができる。これで原理的にはほぼ100%の効率で外部エネルギーを光へと変換することができるため、既存の発光材料よりも圧倒的な効率向上が期待できる。

安達らは巧みに設計された有機分子を用い、この過程を活用した発光材料が実現できることを証明した[1]。

TADF.jpg

関連動画

 

 

関連文献

  1. Uoyama, H.; Goushi, K.; Shizu, K.; Nomura, H.; Adachi, C. Nature 2012, 492, 234. DOI: 10.1038/nature11687
  2. Goushi, K.; Yoshida, K.; Sato, K.; Adachi, C. Nature Photonics 2012, 6, 253. DOI: 10.1038/nphoton.2012.31
  3. Zhang, Q.; Li, B.; Huang, S.; Nomura, H.; Tanaka, H.; Adachi, C. Nature Photonics 2014, 8, 326. DOI: 10.1038/nphoton.2014.12
  4. Hirata, S.; Totani, K.; Yamashita, T.; Adachi, C.; Vacha, M. Nature Materials 2014, 13, 938. DOI: 10.1038/nmat408
  5. Hirata, S.; Sakai, Y.; Masui, K.; Tanaka, H.; Lee, S. Y.; Nomura, H.; Nakamura, N.; Yasumatsu, M.; Nakanotani, H.; Zhang, Q.; Shizu, K.; Miyazaki, H.; Adachi, C. Nature Materials 2015, 14, 330. DOI: 10.1038/nmat4154

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4526065609″ locale=”JP” title=”有機エレクトロニクス入門”][amazonjs asin=”4274036316″ locale=”JP” title=”有機ELディスプレイ”][amazonjs asin=”4061543547″ locale=”JP” title=”有機半導体のデバイス物性 (KS物理専門書)”][amazonjs asin=”4781305733″ locale=”JP” title=”有機ELのデバイス物理・材料化学・デバイス応用 (エレクトロニクスシリーズ)”][amazonjs asin=”4882315459″ locale=”JP” title=”有機電子デバイス研究者のための有機薄膜仕事関数データ集”][amazonjs asin=”4882319713″ locale=”JP” title=”有機ELのデバイス物理・材料化学・デバイス応用 (エレクトロニクスシリーズ)”]

 

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 鄧 青雲 Ching W. Tang
  2. ステファン・カスケル Stefan Kaskel
  3. ポール・モドリッチ Paul L. Modrich
  4. ヴィンス・ロテロ Vincent M. Rotello
  5. 渡辺芳人 Yoshihito Watanabe
  6. 上田 実 Minoru Ueda
  7. 南 安規 Yasunori Minami
  8. クリストファー・ウォルシュ Christopher Walsh

注目情報

ピックアップ記事

  1. 組曲『ノーベル化学賞』
  2. 持続可能社会をつくるバイオプラスチック
  3. 国際化学オリンピック2023が開催:代表チームへの特別インタビュー
  4. 【書籍】機器分析ハンドブック3 固体・表面分析編
  5. 世界で初めて有機半導体の”伝導帯バンド構造”の測定に成功!
  6. 光照射によって結晶と液体を行き来する蓄熱分子
  7. 荒木飛呂彦のイラストがCell誌の表紙を飾る
  8. ミドリムシが燃料を作る!? 石油由来の軽油を100%代替可能な次世代バイオディーゼル燃料が完成
  9. カルロス・シャーガスのはなし ーシャーガス病の発見者ー
  10. 人工タンパク質ナノブロックにより自己組織化ナノ構造を創る

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

ミトコンドリア内タンパク質を分解する標的タンパク質分解技術「mitoTPD」の開発

第 631 回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院 生命科学研究科 修士課程2…

永木愛一郎 Aiichiro Nagaki

永木愛一郎(1973年1月23日-)は、日本の化学者である。現在北海道大学大学院理学研究院化学部…

11/16(土)Zoom開催 【10:30~博士課程×女性のキャリア】 【14:00~富士フイルム・レゾナック 女子学生のためのセミナー】

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。11/16…

KISTEC教育講座『中間水コンセプトによるバイオ・医療材料開発』 ~水・生体環境下で優れた機能を発揮させるための材料・表面・デバイス設計~

 開講期間 令和6年12月10日(火)、11日(水)詳細・お申し込みはこちら2 コースの…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP