[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

M.G.フィン M. G. Finn

[スポンサーリンク]

M・G・フィン (M. G .Finn、19xx年x月xx日-)は、アメリカの化学者である。ジョージア工科大学教授(写真:Scripps.edu)。

 

経歴

1980 カリフォルニア工科大学 卒業
1986 マサチューセッツ工科大学 博士号取得
19xx-2012 スクリプス研究所
2012-現在 ジョージア工科大学 教授

受賞歴

2002-2006 Packard Foundation Interdisciplinary Science Award
2011 The Scripps Research Institute Outstanding Mentor Award
2012 Alexander von Humboldt Foundation Research Award
2017 ACS Cope Scholar Award

研究概要

ウィルスを活用したケミカルバイオロジー研究

ウィルス粒子はさまざまなサイズおよび性質のものが知られている。その殻は通常複数の成分が自己組織化して構成される秩序だったものであり、各種化学条件に対する安定性が高く、内部にさまざまなものを詰め込むこともできる。

この特性を利用して、ウィルス粒子を細胞ターゲティング、疾病診断、ワクチン療法、触媒、自己組織化材料などへと応用する研究に取り組んでいる。

ウィルス殻のサイズは通常の有機合成で扱うには大きすぎ、また複雑であるために、化学修飾には新たな技基盤術を必要としていた。Finnらはクリックケミストリー[1]の手法をこの目的に援用することで、ウィルス表面を修飾する方法を世界に先駆けて確立[2]。各種人工応用へ向けての基礎を築き上げた。

thomson_click_chem_2.png

コメント&その他

  • 論文引用数ランキングは化学分野で33位(トムソンロイター社調査、2000-2010)。
  • ACS Combinatorial ScienceのEditor-in-chiefを兼任している

名言集

 

UCSD – M.G. Finn – Basics in Scholarly Publishing from Sara Rouhi on Vimeo.

関連文献

  1.  (a) Review: Kolb, H. C.; Finn, M. G.; Sharpless, K. B. Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 2004. [abstract]  (b) 日本語解説:「クリックケミストリーの概念と応用 提唱者の立場から」(PDF) (c) TCIによるクリックケミストリーの解説冊子(PDF)
  2. Wang, Q.; Chan, T. R.; Hilgraf, R.; Fokin, V. V.; Sharpless, K. B.; Finn, M. G. J. Am.Chem. Soc. 2003, 125, 3192. DOI: 10.1021/ja021381e

関連書籍

[amazonjs asin=”3527320857″ locale=”JP” title=”Click Chemistry: In Chemistry, Biology and Macromolecular Science”][amazonjs asin=”4781309542″ locale=”JP” title=”クリックケミストリー―基礎から実用まで (ファインケミカルシリーズ)”]

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ジェイ・キースリング Jay Keasling
  2. リチャード・ホルム Richard H. Holm
  3. 鄧 青雲 Ching W. Tang
  4. フリッツ・フェクトレ Fritz Vögtle
  5. ヌノ・マウリド Nuno Maulide
  6. ジョン・フレシェ Jean M. J. Frechet
  7. ブラッドリー・ムーアBradley Moore
  8. スティーブン・リパード Stephen J. Lippard

注目情報

ピックアップ記事

  1. N-オキシドの合成 Synthesis of N-oxide
  2. マイクロ波を用いた革新的製造プロセスと環境/化学領域への事業展開 (プラスチック分解/油化、ゼオライト合成、石油化学系気固反応、エステル/アミド合成など)
  3. 人前ではとても呼べない名前の化合物
  4. マイルの寄付:東北地方太平洋沖地震
  5. 付設展示会に行こう!ーシグマアルドリッチ編ー
  6. Discorhabdin B, H, K, およびaleutianamineの不斉全合成
  7. 触媒的C-H活性化反応 Catalytic C-H activation
  8. 岩田忠久 Tadahisa Iwata
  9. 最先端バイオエコノミー社会を実現する合成生物学【対面講座】
  10. 第5回慶應有機化学若手シンポジウム

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年9月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP