[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

鈴木 啓介 Keisuke Suzuki

[スポンサーリンク]

鈴木 啓介(すずき けいすけ、1954年6月24日生まれ)は日本の有機化学者である(写真:日本化学会)。現在東京工業大学教授。

経歴

1978 東京大学理学部 化学科卒業
1983 東京大学理学系大学院 博士課程修了 (理学博士:向山光昭教授)
1983 慶応義塾大学理工学部 助手(土橋源一教授)
1987 慶応義塾大学理工学部 専任講師
1989 慶応義塾大学 理工学部 助教授
1990 スイス連邦共和国連邦工科大学(ETH)客員教授(Prof. Dieter Seebach)
1994 慶応義塾大学理工学部 教授
1996 東京工業大学 理学部 教授
1998 東京工業大学 大学院理工学研究科 教授

 受賞歴

1986日本化学会進歩賞
1993 有機合成化学協会研究企画賞
1994 日本 IBM 科学賞
1997 手島記念研究論文賞
1999 名古屋シルバーメダル
2003 有機合成化学協会賞
2006 文部科学大臣表彰 科学技術賞
2008 フンボルト賞
2008 日本化学会賞
2010 紫綬褒章
2014 日本学士院賞

研究概要

ポリケチド系骨格がイソプレノイド、糖質等と複合化したハイブリッド構造をもつ化合物群(ハイブリッド天然物)の全合成および、それらを合成するための方法論、反応開発を中心に研究を行っている。

前周期遷移金属を用いるグリコシル化反応とマクロライド合成[1]

ハフニウムあるいはジルコニウムのカチオン錯体をフッ化糖の活性化剤として用いる迅速なグリコシル化反応を開発し、マイシナミシン類の初の全合成を達成した。

 

ポリフェノール・ポリカテキンの合成研究[2]
糖とフラボノイドの化学的反応性の類似性に着目し、カテキン類オリゴマーの迅速合成法の開発を達成している。

Keisuke_Suzuki_3.gif

難関二量体天然物BE-43472Bの全合成[3]

ビスアントラキノン骨格を有する二量体抗生物質BE-43472Bの合成に挑戦し、ピナコール転位を鍵としてアントラキノン骨格同士を立体選択的に構築することで全合成を達成している。(関連記事:究極の二量体合成を追い求めて~抗生物質BE-43472Bの全合成

2015-06-12_10-43-23

関連文献

  1. a) Suzuki, K.; Tomooka, K.; Katayama, E.; Matsumoto, T.; Tsuchihashi. G.  J. Am. Chem. Soc., 1986108, 5221. DOI: 10.1021/ja00277a028. b) Matsumoto, T.; Maeta, H.; Suzuki,K.; Tsuchihashi, G.Tetrahedron Lett. 1988, 29, 3575. DOI:10.1016/0040-4039(88)85296-1
  2. Ohmori, K.; Shono, T.; Hatakoshi, Y.; Yano, T.; Suzuki, K. Angew. Chem. Int. Ed.2011, 50, 4862. DOI: 10.1002/anie.201007473
  3. Yamashita, Y.; Hirano, Y.; Takada, A.; Takikawa, H.; Suzuki, K. Angew. Chem. Int. Ed.201352, 6658. DOI: 10.1002/anie.201301591

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4807904841″ locale=”JP” title=”大学院講義 有機化学〈1〉分子構造と反応・有機金属化学”][amazonjs asin=”4807905872″ locale=”JP” title=”大学院講義 有機化学 演習編”][amazonjs asin=”4759808752″ locale=”JP” title=”ペリ環状反応―第三の有機反応機構”][amazonjs asin=”4785332115″ locale=”JP” title=”有機合成化学 (化学新シリーズ)”][amazonjs asin=”4000110403″ locale=”JP” title=”岩波講座 現代化学への入門〈10〉天然有機化合物の合成戦略”]

 

外部リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. リヒャルト・エルンスト Richard R. Ernst
  2. 高橋 雅英 Takahashi Masahide
  3. 人羅勇気 Yuki HITORA
  4. トム・マイモニ Thomas J. Maimone
  5. ローランド・フィッシャー Roland A. Fischer
  6. ジョン・スティル John K. Stille
  7. トーマス・レクタ Thomas Lectka
  8. アビー・ドイル Abigail G. Doyle

注目情報

ピックアップ記事

  1. コロナワクチン接種の体験談【化学者のつぶやき】
  2. クノール ピロール合成 Knorr Pyrrole Synthesis
  3. 書物から学ぶ有機化学 1
  4. 【22卒就活スタートイベント】Chemical Live(ケミカルライブ)10/31(土)・11/1(日) YouTubeライブ配信!
  5. ウイルスーChemical Times 特集より
  6. キッチン・ケミストリー
  7. 【読者特典】第92回日本化学会付設展示会を楽しもう!PartII
  8. UCリアクター「UCR-150N」:冷媒いらずで-100℃!
  9. 天然物界70年の謎に終止符
  10. 有機合成化学協会誌2023年11月号:英文特別号

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年9月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー