[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

トビアス・リッター Tobias Ritter

[スポンサーリンク]

トビアス・リッター (Tobias Ritter、1975年x月xx日(Lubeck, ドイツ)-)は、アメリカの有機化学者である。 マックス・プランク研究所教授・ディレクター(写真:Freie Universität Berlin)。

経歴

1995-1997 Braunschweig工科大学
1997 ボルドー大学
1997-1998 スイス連邦工科大学ローザンヌ校
1998-1999 スタンフォード大学 (Barry M. Trost教授)
1999 Braunschweig工科大学 修士号
1999-2004 スイス連邦工科大学チューリヒ校 博士取得 (Erick M. Carreira教授)
2004-2006 カリフォルニア工科大学 博士研究員 (Robert H. Grubbs教授)
2004 Hagen大学 MBA取得
2005 スイス連邦工科大学チューリヒ校 博士号取得
2006 ハーバード大学 助教授
2010 ハーバード大学 准教授
2012 ハーバード大学 教授
2015 マックス・プランク研究所教授・ディレクター

 

受賞歴

2007 Thieme Chemistry Journals Award
2008 Milton Fund Award, Harvard Medical School
2008 Smith Family Award for Excellence in Biomedical Research
2009 Massachusetts Life Science Center Young Investigator Award
2010 Eli Lilly Grantee Award
2010 Air Force Young Investigator Award
2010 NSF Career Award
2010 Alfred P. Sloan Research Fellowship
2010 AstraZeneca Excellence in Science Award
2010 Roslyn Abramson Award for Excellence in Teaching Undergraduates
2011 Popular Science Brilliant 10 Award
2012 Popular Science Brilliant 10 Award
2013 Klung-Wilhelmy-Weberbank Preis, Berlin, Germany
2013 RSC Fluorine Chemistry Prize
2013 Hirata Medal
2018 Chinese Chemical Society Award in Fluorine Chemistry

 

研究概要

芳香族フッ素化合物の新規合成法の開発

パラジウム・銀をメディエータとして用いる、芳香族スズ・ケイ素・ホウ素化合物のフッ素置換反応を開発した[1-5]。
近年では方法の温和さを活用し、天然物を合成終盤にてフッ素修飾する方法論(Late-Stage Fluorination)[6]を提案している。
T_Ritter_1.gif

2016年、独自に開発した脱酸素的フッ素化剤PhenoFluorを用いた芳香族フッ素化反応が、1つの遷移状態を経由する協奏的付加−脱離(CSNAr)機構で進行することを明らかにした。従来法では困難な18Fの導入も達成し、PETイメージング技術の発展に大きく貢献した[7]。

コメント&その他

  • 2011年に自身の研究を活かしたフッ素化合物のベンチャー企業Scifluorを立ち上げた。

名言集

 

関連動画

 

関連文献

  1.  Furuya, T,; Kaiser, H. M.; Ritter, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 5993. doi:10.1002/anie.200802164
  2.  Furuya, T.; Ritter, T. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 10060. DOI: 10.1021/ja803187x
  3.  Furuya, T.; Strom, A. E.; Ritter, T. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 1662. DOI: 10.1021/ja8086664
  4.  Furuya, T.; Ritter, T. Org. Lett. 2009, 11, 2860. DOI: 10.1021/ol901113t
  5.  Review: (a) Furuya, T.; Kamlet, A. S.; Ritter, T. Nature 2011, 473, 470. doi:10.1038/nature10108 (b) Furuya, T.; Klein, J. E. M. N.; Ritter, T. Synthesis 2010,180. DOI: 10.1055/s-0029-1218742
  6.  Tang, P.; Furuya, T.; Ritter, T. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 12150. DOI: 10.1021/ja105834t
  7. Neumann, C. N.; Hooker, J. M.; Ritter, T. Nature 2016534, 369. DOI: 10.1038/nature17667

ケムステ関連記事

関連書籍

 

関連リンク

Avatar photo

Green

投稿者の記事一覧

静岡で化学を教えています。よろしくお願いします。

関連記事

  1. デービーメダル―受賞者一覧
  2. ブルクハルト・ケーニッヒ Burkhard König
  3. ロバート・フィップス Robert J. Phipps
  4. サミュエル・ダニシェフスキー Samuel J. Danishe…
  5. ヴィクター・アンブロス Victor Ambros
  6. 伊藤 幸裕 Yukihiro Itoh
  7. マット・シグマン Matthew S. Sigman
  8. ポール・ロゼムンド Paul W. K. Rothemund

注目情報

ピックアップ記事

  1. 求核置換反応 Nucleophilic Substitution
  2. スナップ試薬 SnAP Reagent
  3. ケムステバーチャルプレミアレクチャーの放送開始決定!
  4. やまと根岸通り
  5. 発見が困難なガンを放射性医薬品で可視化することに成功
  6. 春日大社
  7. 野依記念物質科学研究館
  8. ポンコツ博士の海外奮闘録 〜コロナモラトリアム編〜
  9. シンプルなα,β-不飽和カルベン種を生成するレニウム触媒系
  10. 第17回ケムステVシンポ『未来を拓く多彩な色素材料』を開催します!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

化学CMアップデート

いろいろ忙しくてケムステからほぼ一年離れておりましたが、少しだけ復活しました。その復活第一弾は化学企…

固有のキラリティーを生むカリックス[4]アレーン合成法の開発

不斉有機触媒を利用した分子間反応により、カリックスアレーンを構築することが可能である。固有キラリ…

服部 倫弘 Tomohiro Hattori

服部 倫弘 (Tomohiro Hattori) は、日本の有機化学者。中部大学…

ぱたぱた組み替わるブルバレン誘導体を高度に置換する

容易に合成可能なビシクロノナン骨格を利用した、簡潔でエナンチオ選択的に多様な官能基をもつバルバラロン…

今年は Carl Bosch 生誕 150周年です

Tshozoです。タイトルの件、本国で特に大きなイベントはないようなのですが、筆者が書かずに誰が…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP