[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

アミール・ホベイダ Amir H. Hoveyda

[スポンサーリンク]

 

アミール・H・ホベイダ (Amir H. Hoveyda、1959年4月5日-)は、アメリカの有機化学者である(写真:ISOM XIX)。米ボストンカレッジ化学科 教授 (写真:Bostoniano.info)。

経歴

1981 コロンビア大学 卒業
1986 イェール大学 博士号取得 (Stuart L. Schreiber 教授)
1986-1990 ハーバード大学 博士研究員 (David A. Evans教授)
1990-1994 ボストンカレッジ 助教授
1994-1998 ボストンカレッジ 教授
1998- ボストンカレッジ Joseph T. and Patricia Vanderslice Millennium Professor of Chemistry

 

受賞歴

1984 R. B. Flint Graduate Fellowship Award, Yale University
1985 National Research Service Award, National Institutes of Health
1986 Postdoctoral Fellowship, American Cancer Society
1992 Boston College Distinguished Junior Faculty Award
1992 National Young Investigator, National Science Foundation
1992 Eli Lilly Grantee Award
1993 Junior Faculty Research Award, American Cancer Society
1993 Pfizer Research Award in Synthetic Organic Chemistry
1994 Alfred P. Sloan Research Fellowship
1994 Camille Dreyfus Teacher-Scholar Award
1995 Johnson & Johnson Focused Giving Award
1998 American Chemical Society Cope Scholar Award
2000 Boston College Distinguished Senior Faculty Research Award
2001 Novartis Research Award in Synthetic Organic Chemistry
2002 ExxonMobil Excellence in Catalysis Award
2002 Boston College Distinguished Teaching Award
2005 NIH MERIT Award
2007 Tishler Prize, Harvard University
2010 Yamada-Koga Prize
2014 American Chemical Society Award for Creative Work in Organic Synthesis
2014 Eni Award

 

研究概要

新規不斉金属触媒の開発および複雑天然物の全合成研究

ジオールのシリル基保護による不斉非対称化を実現している(関連記事:保護により不斉を創る)。[1]

特に不斉オレフィンメタセシス触媒の開発や、銅-NHC触媒による不斉アルキル化反応にて顕著な業績を上げている。

Mo_schrock_5.gif

 

第二世代Grubbs–Hoveyda触媒と呼ばれるメタセシス触媒は、E選択的なオレフィンメタセシスの有効な触媒の一つである。また、ノーベル化学賞受賞者の1人であるSchrockらのグループと共同で、2008年には不斉オレフィンメタセシスの開発[2]、2011年にはZ選択的なオレフィンメタセシスも開発している(関連記事:Z選択的オレフィンメタセシス)。[3]

66caf9ce37399f5f2a455838389a18f4

Z選択的オレフィンメタセシス(2011年)

2015年には適用が困難もしくは不可能であったアルコールやカルボン酸などを有する基質に対しても、アニオン性配位子を有する二つのルテニウム錯体により高選択的にZ体のオレフィンを得ることに成功している(関連記事:向かうところ敵なし?オレフィンメタセシス[4]

fc73d1948c993f0e72455369b56b010d

アニオン性配位子を有するルテニウム錯体を用いた反応性官能基を有するオレフィンとのクロスメタセシス

 

コメント&その他

 

名言集

 

関連動画

 

関連文献

  1. Zhao, Y.; Rodrigo, J.; Hoveyda, A. H.; Snapper, M. L. Nature 2006, 443, 67. DOI: 10.1038/nature05102
  2. Malcolmson, S. J.; Meek, S. J.; Sattely, E. S.; Schrock, R. R.; Hoveyda, A. H.Nature 2008456, 933. DOI:10.1038/nature07594
  3. Meek, S. J.; O’Brien, R. V.; Llaveria, J.; Schrock, R. R.; Hoveyda, A. H. Nature 2011471, 461. DOI:10.1038/nature09957
  4. Koh, M. J.; Khan, R. K. M.; Torker, S.; Yu, M.; Mikus, M. S.; Hoveyda, A. H. Nature 2015517, 181. DOI:10.1038/nature14061

 

 

関連書籍

 

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 南 安規 Yasunori Minami
  2. ウィリアム・モーナー William E. Moerner
  3. 小松 徹 Tohru Komatsu
  4. ウィリアム L ジョーゲンセン William L. Jorge…
  5. 林 民生 Tamio Hayashi
  6. ランディ・シェックマン Randy Schekman
  7. クルト・ヴュートリッヒ Kurt Wüthrich
  8. 城戸 淳二 Junji Kido

注目情報

ピックアップ記事

  1. 長期海外出張のお役立ちアイテム
  2. デーリング・ラフラム アレン合成 Doering-LaFlamme Allene Synthesis
  3. 第7回HOPEミーティング 参加者募集!!
  4. 始めよう!3Dプリンターを使った実験器具DIY:3Dスキャナー活用編
  5. 2007年度ノーベル化学賞を予想!(1)
  6. 研究者1名からでも始められるMIの検討-スモールスタートに取り組む前の3つのステップ-
  7. 秋田の女子高生が「ヒル避け」特許を取得
  8. エリック・フェレイラ Eric M. Ferreira
  9. 学生はなんのために研究するのか? 研究でスキルアップもしませんか?
  10. オンライン座談会『ケムステスタッフで語ろうぜ』開幕!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年4月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP