日本学術振興会賞(JSPS Prize)は国内外の学術誌等に公表された論文、著書、その他の研究業績により学術上特に優れた成果を上げたと認められる者のうち、毎年20件程度の
(1) 45歳未満
(2) 博士の学位を取得(博士の学位を取得した者と同等以上の学術研究能力を有する者を含む。)
(3) 日本国籍を有する者又は外国人であって推薦時点において我が国で5年以上研究者として大学等研究機関に所属しており、今後も継続して我が国で研究活動を予定
の研究者が受賞できる。授賞数は毎年度20件程度とし、受賞者には、副賞として研究奨励金110万円を贈呈される。また、日本学術振興会賞受賞者の中から特に優れた者6名以内に、日本学士院学術奨励賞が授与される。すなわち例えれば日本化学会でいう「進歩賞」をオール学問対象に拡大したものになる。
2004年から行われており、受賞した化学者は次の通りである(画像:日本学術振興会HPより)。
ちなみにiPS細胞の山中教授は2006年に受賞している。
2020年(第十六回)
山下 誠(名大院工) 高反応性ホウ素化合物の創製とその特異な反応性の解明
依光 英樹(京大院理)京都大学 大学院理学研究科 教授
松田 亮太郎(名大院工)ナノポーラス金属錯体による分子認識および捕捉機能に関する研究
2019年(第十五回)
合田 圭介(東大院理)超高速イメージング法・分光法の開発とその基礎科学・ 産業・医療への応用
田中 克典 (理研) 糖鎖ドラッグデリバリーシステムによる生体内での有機合成化学
中尾 佳亮(京大院工)新たな金属触媒系の開発による不活性結合の活性化・変換手法の創出
柳井 毅(名大ITbM) 多電子理論に基づく量子化学計算法の開発と大規模計算への展開
2018年(第十四回)
山東 信介(東大院工) 生体系の分子計測・イメージングにおける画期的NMR分子プローブの開発
2017年(第十三回)
村上 裕(名大院工)非天然アミノ酸を含むペプチドの翻訳合成
正岡 重行(分子研) 金属錯体を触媒とする酸素発生反応
2016年(第十二回)
植村 卓史(京大理) ナノ空間を利用した精密重合法の開発と特異な物性発現
前田 理(北大理) 化学反応経路を自動探索するための理論手法の開発
2015(第十一回)
駒場 慎一(東理大理) 次世代蓄電池の電極材料研究
田中 敬二(九大工) 高分子界面における局所構造・物性の評価法確立と高分子の機能化に関する研究
2014年(第十回)
伊丹 健一郎(名大理) 芳香環連結分子の精密迅速合成法の開発と応用
岡本 晃充(東大先端研) 化学を基盤とした核酸機能観察系の構築
陰山 洋(京大工) 低温合成法を用いた機能性遷移金属酸化物の開発
2013年(第九回)
大友 明(東工大理工) 高品質酸化物絶縁体界面での金属伝導
山口 茂弘(名大物質科学) 典型元素を含むπ電子系化合物の創製と機能開拓
2012年(第八回)
忍久保 洋(名大院工) ポルフィリン系機能性分子の革新的な合成手法の開発
西林 仁昭(東大院工) 錯体化学を用いた新しい窒素固定法の開発
松浦 和則(九大院工) DNAやペプチドの自己集合特性を活用したナノ構造体の構築
2011年(第七回)
大井 貴史(名大院工) キラルアンモニウム塩やキラルテテトラアミノホスホニウム塩を用いた不斉合成反応の開発
福山 知昭(東大院理) 磁性酸化物半導体の創製
2010年(第六回)
菊地 和也(阪大院工) 生体内分子を可視化する化学プローブのデザイン・合成・生物応用の研究
杉野目 道紀(京大院工)高機能ホウ素反応剤のデザインと創製に基づいた触媒的精密有機合成の研究
2009年(第五回)
井上 将行(東大院理) 海洋環状ポリエーテル類の全合成研究
小江 誠司(九大) 水溶性金属アクア錯体を用いた水中・常温・常圧での水素分子の活性化
2008年(第四回)
大越 慎一(東大院理) 磁気化学を基盤とした新規磁気物性の創出に関する研究
(同時に日本学士院学術奨励賞も受賞)
2007年(第三回)
大熊 毅(北大院工) ケトン類の不斉水素化反応の開発
侯 召民(理研) 新しい希土類重合触媒と新規機能性材料の開発
椿 範立(富山大院工) 石油代替エネルギーに着目した触媒プロセスの開発
2006年(第二回)
今堀 博 (京大院工) カーボンナノ構造体を用いた人工光合成系の構築
2005年(第一回)
石原 一彰(名大院工) 人工小分子グリーン触媒の開発
加藤 隆史(東大院工) 分子の自己組織化に着目した機能材料の開発
小林 修 (東大院薬) 有機反応媒体の再構築による環境調和型反応プロセスの開発
鈴木 俊法 (理研) 分子線散乱イメージング法による化学反応の可視化