[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

櫻井英樹 Hideki Sakurai

[スポンサーリンク]

 
櫻井英樹(さくらい ひでき, 1931年5月16日-(奈良県))は日本の有機化学者。博士(理学)。東北大学名誉教授。現在、(財)みやぎ産業振興機構理事長および(株)テクノプラザみやぎ代表取締役社長である。有機化学、特に有機ケイ素化学の第一人者である。世界的に有名な細見-櫻井反応を開発した。

経歴

1953年東京大学理学部化学科を卒業、同大学大学院化学系研究科に進学し、55年修士課程修了、58年に博士課程を修了された。1958年に大阪市立大学理工学部助手となり、60年には米国Harvard大学で博士研究員を経て、63年京都大学工学部助教授、69年東北大学理学部教授となる。95年定年退官。
1953 東京大学理学部化学科卒業
1958 東京大学理学部化学科化学専攻博士課程修了
1958 東京大学理学博士(指導教授、島村修教授)
1958 大阪市立大学理工学部助手
1960 米国Harvard大学博士研究員(Prof. P.D.Bartlett)
1963 京都大学工学部助教授
1969 東北大学理学部教授
1990 東北大学理学部長
1995 東京理科大学理工学部工業化学科教授

学会活動など
1991-2000 日本学術会議会員(第15、16、17期)
1996 社団法人日本化学会会長
Bulletin of the Chemical Society of Japan 編集委員長

 

受賞歴

1978 アメリカ化学会 F. S. Kipping 賞
1980  日本化学会賞
1991  Wacker Silicone Award
1994  恩賜賞・日本学士院賞(熊田誠氏との共同受賞)
2002 秋の叙勲「勲二等瑞宝章」、文化功労者
(その他 松永賞)

 

研究

ケイ素置換エチレンやベンゼン等、ケイ素原子を鍵とする様々な有機ケイ素化合物を合成している。また有機ケイ素化学を発展させる過程において、ルイス酸を用いたアリルシランと求電子剤とのカップリング反応「細見-櫻井反応」を開発した[1]。一方で、高配位有機ケイ素化合物や高分子化合物への展開にも精力的に取り組んできた。

 

hosomi1.gif
細見-櫻井反応

 

言葉

「竹槍では戦争に勝てない」 (研究環境・教育の整備の重要性を語った言葉)

 

関連動画

東北大学における有機化学の系譜-天然物化学から有機ケイ素化学へ- (櫻井教授 特別講義)

 

コメント&その他

  1. 細見彰(筑波大名誉教授)、吉良満夫(東北大名誉教授)、飛田博美(東北大)、関口章(筑波大)等、多くの有機化学者を輩出している。
  2. 学生時代、ジフェニルエチレンの酸化反応に関する研究を行っていたが、論文完成間際に米国の研究グループに先に4報(全てJACS)発表された経験がある。
  3. 光学活性ポリマーを世界で初めて作った[2]。
  4. バロックやモダンジャズ等、幅広いジャンルの音楽鑑賞や写真の趣味を持ち、庭の花の写真で日本化学会誌「化学と工業」の表紙を飾ったことがあるそうです。
  5. 蔵王山水苑のオーナーである。

 

関連論文

[1] (a) Hosomi, A.; Sakurai, H. Tetrahedron Lett. 1976, 1295. (b) Hosomi, A.; Endo, M.; Sakurai, H. Chem. Lett. 1976, 941. (c) Hosomi, A.; Sakurai, H. J. Am. Chem. Soc. 1977, 99, 1673.

[2] Imoto, M.; Sakurai, H.; Kono, T. J. Polymer Sci. 1961, 50, 461.

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4882317524″ locale=”JP” title=”有機ケイ素ポリマーの新展開 (CMCテクニカルライブラリー)”][amazonjs asin=”4882319047″ locale=”JP” title=”有機ケイ素材料科学の進歩 (CMCテクニカルライブラリー)”]

 

 

関連リンク

 

関連記事

  1. アンディ・マイヤース Andrew G. Myers
  2. 井口 洋夫 Hiroo Inokuchi
  3. E.・ピーター・グリーンバーグ E. Peter Greenbe…
  4. フリードリヒ・ヴェーラー Friedrich Wohler
  5. ステファン・ヘル Stefan W. Hell
  6. チャオ=ジュン・リー Chao-Jun Li
  7. ケンダール・ハウク Kendall N. Houk
  8. ヴァリンダー・アガーウォール Varinder K. Aggar…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 元素周期 萌えて覚える化学の基本
  2. 高校生の「化学五輪」、2010年は日本で開催
  3. 5年で57億円かかるエルゼビアの論文閲覧システムの契約交渉で大学側が値下げを要求
  4. 自己紹介で差がつく3つのポイント
  5. 2008年ウルフ賞受賞者発表
  6. 反応機構を書いてみよう!~電子の矢印講座・その2~
  7. 化学企業のグローバル・トップ50が発表【2018年版】
  8. (–)-Daphenezomine AとBの全合成
  9. ペーパーミル問題:科学界の真実とその影響
  10. ライセルト インドール合成 Reissert Indole Synthesis

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年8月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP