[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

モーリス・ブルックハート Maurice S. Brookhart

[スポンサーリンク]

モーリス・S・ブルックハート(Maurice S. Brookhart、1943年x月xx日-)はアメリカの高分子化学者である。米ヒューストン大学教授(写真:ヒューストン大学)。

経歴

1964 ジョン・ホプキンス大学 学士号取得
1968 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 博士号取得(S.Winstein教授)
1968 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 博士研究員
1968 サウスアンプトン大学 博士研究員
1969 ノースカロライナ大学 助教
1974 ノースカロライナ大学 准教授
1978 ノースカロライナ大学 教授
2015 ヒューストン大学教授

受賞歴

1992 ACS Award in Organometallic Chemistry
1994 ACS アーサー・C・コープ スカラー賞
1998 ACS チャールズ・H・ストーン賞
2000 センテナリーメダル (英王立化学会)
2003 ACS Award in Polymer Chemistry
2007 ACS Sierra Nevada Section Distinguished Chemist Award
2008 North Carolina Award in Science
2010 Willard Gibbs Medal
2015 ACS Gabor A. Somorjai Award for Creative Research in Catalysis

研究

有機金属化学・均一系遷移金属触媒開発が主要研究テーマ。

ポストメタロセン触媒の開発:ニッケル、パラジウムなどの後周期遷移金属触媒では、従来低分子量のポリマーしか合成できなかった。ブルックハートらは1995年、嵩高い置換基をもつα-ジイミン配位子を用いることで、エチレンやα-オレフィンの高分子量重合体が得られることを初めて報告した[1]

brookhart_cat.gif

そのほか、C-H結合活性化や、アルカンメタセシス反応[2]などの開発にも取り組んでいる。

 

関連文献

  1. Johnson, L. K.;Killian, C. K.;Brookhart M. S. J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 6414. DOI: 10.1021/ja00128a054
  2. Goldman, A. S.; Roy,A. M.; Huang, Z.; Ahuja, R.; Schinski, W.; Brookhart, M. S. Science 2006, 312, 5771. DOI:10.1126/science.1123787
  3. “A Career in Catalysis: Maurice Brookhart” Daugulis, O.; MacArthur, A. H. R.; Rix, F. C.; Templeton, J. L. ACS Catal. 2016, 6, 1518–1532. DOI: 10.1021/acscatal.5b02216

関連書籍

[amazonjs asin=”4882317508″ locale=”JP” title=”メタロセン触媒と次世代ポリマーの展望 (CMCテクニカルライブラリー)”][amazonjs asin=”3642639879″ locale=”JP” title=”Organometallic Catalysts and Olefin Polymerization: Catalysts for a New Millennium”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ギルバート・ストーク Gilbert Stork
  2. 和田 猛 Takeshi Wada
  3. エド・ボイデン Edward Boyden
  4. 長谷川 美貴 Miki Hasegawa
  5. ヴィクター・スニーカス Victor A. Snieckus
  6. デヴィッド・シュピーゲル David A. Spiegel
  7. 黒田 玲子 Reiko Kuroda
  8. フェン・チャン Feng Zhang

注目情報

ピックアップ記事

  1. ADC薬基礎編: 着想の歴史的背景と小分子薬・抗体薬との比較
  2. Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations
  3. 【速報】2022年ノーベル化学賞は「クリックケミストリーと生体直交化学」へ!
  4. 衣笠反応 Kinugasa Reaction
  5. もし炭素原子の手が6本あったら
  6. 第166回―「2次元量子材料の開発」Loh Kian Ping教授
  7. こんなサービスが欲しかった! 「Chemistry Reference Resolver」
  8. 徒然なるままにセンター試験を解いてみた(2018年版)
  9. 第30回 弱い相互作用を活用した高分子材料創製―Marcus Weck教授
  10. 周期表の形はこれでいいのか? –上下逆転した周期表が提案される–

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー