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世界の化学者データベース

永木愛一郎 Aiichiro Nagaki

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永木愛一郎(1973年1月23日-)は、日本の化学者である。
現在北海道大学大学院理学研究院化学部門教授。第47回ケムステVシンポ講師

 

経歴

2000 同志社大学工学部機能分子工学科 卒業(太田哲男 教授)
2002
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 博士前期課程 修了(吉田潤一 教授)
2001
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 博士後期課程 修了(吉田潤一 教授)
2005
東京大学 博士研究員 (菅裕明 教授)
2006
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 博士研究員 (吉田潤一 教授)
2006
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 特任助教 (吉田潤一 教授)
2008
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 助教 (吉田潤一 教授)
2013
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 講師 (吉田潤一 教授)
2018
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 准教授
2022
北海道大学大学院理学研究院化学部門 教授

 

受賞歴

2003 日本化学会第83春季年会、学生講演賞
2005 BCSJ Award Article
2012
有機合成化学協会 武田薬品工業研究企画賞
2012
有機合成化学協会 有機合成化学奨励賞
2013
日本化学会 第27回若い世代の特別講演会 特別講演証
2013
化学とマイクロ・ナノシステム研究会 若手優秀賞
2013
エスペック環境研究奨励賞
2014 Flow Chemistry India 2014 Distinguishe
d Presentation Award
2015 Expert Presentations on 2nd International Conference on Past and Present Research Systems of Green Chemistry
2019
有機合成化学協会・企業冠賞 東ソー・環境エネルギー賞
2023 Asian Core Program (ACP) Lectureship Award
2023
高分子学会三菱ケミカル賞
2023
日本化学会第41回学術賞

 

研究業績

次世代の合成化学を「高速合成化学」と位置づけ、従来個別に研究されてきた「反応制御」「合成経路探索」「機能開拓」「プロセス分析」「自動化」といった有機合成化学に関わる様々な律速要素を統合的に扱い、あらゆる側面から合成化学を「高速化」することこそ合成化学者が社会の要求に応える新たな方法論となりうると考え、研究を展開している。

 

フローマイクロリアクターを用いた高速反応を自在に扱う化学(フラッシュケミストリー)[1]

マイクロフロー空間における高速な拡散・混合を利用することにより、秒からミリ秒程度の高速反応領域においても反応速度論に従った選択性が実現できることを実証した。加えて、独自の「時間を空間で制御する合成化学」という方法論で、フラスコ化学では取り扱うことが不可能な様々な高反応性の不安定活性種の高次制御による高速反応開発を実現している。

 

不均一系反応系の高速化[2]

反応の高速化が課題となる不均一系フロー反応(触媒、電解、光、気-液反応など)の高速化を志向した反応空間構築に着目することによって、例えば、フロー電子移動反応空間の内部構造の精密設計・制御、短時間で電解反応を完了させる電解装置を開発した。この装置はわずか 4 秒で高速に電気分解を完了させることができる。

 

反応集積による高速合成化学[3]

1つの出発原料から直線的に目的物を得る直線的反応集積(反応の連結)と、複数の出発原料から複数の鍵中間体を発生させて適当な段階でこれらを反応させて目的物を得る収束的反応集積(反応の融合)に分類して、それぞれの特長を活かしたフラスコ化学未踏な一気通貫の高速合成プロセス開発へと展開している。

 

コメント&その他

ありのままの自分で新しい扉を(Message from Young Principal Researcher (MyPR)

有機合成化学協会誌 2024, 82 (10), 1021–1023.
DOI: 10.5059/yukigoseikyokaishi.82.1021 (オープンアクセス)

 

関連文献

[1] (a) Review: Nagaki, A.; Ashikari, Y.; Takumi, M.; Tamaki, T. Flash Chemistry Makes Impossible Organolithium Chemistry Possible. Chem. Lett. 2021, 50 (3), 485–492.
(b) Muta, K.; Okamoto, K.; Nakayama, H.; Wada, S.; Nagaki, A. Defluorinative Functionalization Approach led by Difluoromethyl Anion Chemistry. Nat. Commun. 2024, DOI :10.1038/s41467-024-52842-0.
(c) Kim, H.; Nagaki, A.; Yoshida, J. A Flow Microreactor Approach to Protecting-group-free Synthesis Using Organolithium Compounds. Nat. Commun. 2011, 2, 264.

[2] Takumi, M.; Sakaue, H.; Nagaki, A. Flash Electrochemical Approach to Carbocations. Angew. Chem. Int. Ed Engl. 2022, 61, e202116177.
[3] (a) Soutome, H.; Yamashita, H.; Shimizu, Y.; Takumi, M.; Ashikari, Y.; Nagaki, A. Convergent approach for direct cross-coupling enabled by flash irreversible generation of cationic and anionic species. Nat. Commun. 2024, 15, 4873.
(b) Ashikari, Y.; Kawaguchi, T.; Mandai, K.; Aizawa, Y.; Nagaki, A. A Synthetic Approach to Dimetalated Arenes Using Flow Microreactors and the Switchable Application to Chemoselective Cross-Coupling Reactions. J. Am. Chem. Soc. 2020, 142 (40), 17039–17047.   

 

関連リンク

北海道大学 永木研究室
永木研 X(旧Twitter)アカウント

 

Macy

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有機合成を専門とする教員。将来取り組む研究分野を探し求める「なんでも屋」。若いうちに色々なケミストリーに触れようと邁進中。

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