経歴
2008 京都大学 工学部 工業化学科 卒業
2010 京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 修士課程修了
2013 京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 博士後期課程修了
2013-2014 日本学術振興会 海外特別研究員(The University of Michigan)
2014-2017 北海道大学 大学院理学研究院 特任助教
2017-現在 北海道大学 電子科学研究所 光科学研究部門 准教授
<兼任>
2018-2022 科学技術振興機構 さきがけ研究者
2022-現在 国立陽明交通大学(台湾) 理学院 応用化学系 客員准教授
受賞歴
2009 錯体化学討論会 ポスター賞
2009 コロイドおよび界面化学討論会 ポスター賞
2012 The 4th HOPE Meeting Best Poster Award
2013 Reaxys Ph.D. Prize 2013 Finalist
2020 新化学技術研究奨励賞
2022 応用物理学会フォトニクス奨励賞
研究業績
光共振器を使った機能性分子の強結合
光共振器内では、分子と光共振器の間で可逆なエネルギー交換が起こる。このエネルギー交換が各種のエネルギー損失を上回る状態は「強結合」と呼ばれ、分子と光の量子的混成状態であるポラリトンが形成され、分子の性質が変化する。特筆すべきことに、光が存在しない場合でも電磁場のゆらぎ(零点エネルギー)によって強結合状態となる。つまり、光源を使わなくても、光共振器に分子を入れるだけで強結合状態になり、分子の性質が大きく変化する(Figure 1)。[1] 強結合の状態を利用することで、特定の官能基の反応性を変化させることが可能であり、[2] 官能基選択的な化学反応を誘起することができる。[3] また、分子間相互作用を変化させることで、自己集合の挙動を制御することが可能であり、結晶多形の操作ができるようになっている(Figure 2)。[4] 現在、光共振器を利用した強結合を用いて、分子の自己集合、化学反応、光・電子物性を操作する手法の開発を行っている。
名言集
コメント&その他
関連動画
・JST新技術説明会(2023年10月20日)
・第4回Qコロキウム(2020年7月30日)
関連文献
[1] Hirai, K.; Hutchison, J. A.; Uji-i, H. Chem. Rev. 2023, 123, 8099. DOI:10.1021/acs.chemrev.2c00748
[2] Hirai, K.; Takeda, R.; Hutchison, J. A.; Uji-i, H. Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59, 5332. DOI:10.1002/anie.201915632
[3] Hirai, K.; Ishikawa, H.; Chervy, T.; Hutchison, J. A.; Uji-i, H. Chem. Sci. 2021, 12, 11986. DOI:10.1039/d1sc03706d
[4] Hirai, K.; Ishikawa, H.; Takahashi, Y.; Hutchison, J. A.; Uji-i, H. Chem. Eur. J. 2022, 28, e202201260. DOI:10.1002/chem.202201260