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ケミカルバイオロジー

小山 靖人 Yasuhito Koyama

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小山 靖人(こやま やすひと)は、日本の有機化学者。富山県立大学工学部医薬品工学科 教授、第34回ケムステVシンポ「日本のクリックケミストリー」講師。

学 歴

2000年3月 北海道大学理学部化学科卒業
2000年4月 北海道大学大学院理学研究科化学専攻博士前期(修士)課程入学
2002年3月 北海道大学大学院理学研究科化学専攻博士前期(修士)課程修了 (指導教員:村井章夫教授)
2002年4月 東北大学大学院理学研究科化学専攻博士後期(博士)課程入学
2005年3月 東北大学大学院理学研究科化学専攻博士後期(博士)課程修了(指導教員:平間正博教授)
2005年3月 博士(理学)(東北大学)取得

職 歴

2005年4月 日本学術振興会特別研究員(PD, 東京工業大学, 指導教員:鈴木啓介教授)
2007年3月 東京工業大学大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 助手(高田十志和教授)
2007年4月 同 助教 
2013年1月 北海道大学触媒化学研究センター 准教授
2016年4月 富山県立大学工学部医薬品工学科 准教授
2021年4月 同 教授
現在に至る

2016年4月~2017年3月 北海道大学触媒科学研究所 客員准教授

専門分野

有機化学、高分子合成、超分子化学

研究業績

2022年11月5日現在
原著論文:99報、総説・解説:10報、著書:11件、特許(公開):8件

所属学会

日本化学会、有機合成化学協会、高分子学会、日本ゴム協会、触媒学会、日本プロセス学会

受賞歴

平成16年5月      日本化学会第84春季年会学生講演賞
平成20年5月      有機合成化学協会研究企画賞
平成20年5月      日本化学会第88春季年会優秀講演賞(学術)
平成21年5月      日本化学会第88春季年会優秀講演賞(学術)
平成21年9月      東工大工系若手奨励賞
平成21年10月    第5回CERI最優秀発表論文賞
平成21年10月    第21回エラストマー討論会優秀発表賞
平成23年2月      第1回田中ゴム化学技術賞
平成23年5月      第2回ブリヂストンソフトマテリアルフロンティア賞(奨励賞)
平成23年5月      2011年日本ゴム協会年次大会若手優秀発表賞
平成24年2月      手島記念賞論文賞
平成24年5月      平成23年高分子研究奨励賞
平成24年5月      第12回CERI最優秀発表論文賞
平成24年8月      東工大挑戦的研究賞
平成25年10月   「元素ブロック高分子材料の創出」第1回若手シンポジウム優秀講演賞
平成29年4月      長瀬学術振興賞
令和3年5月        第38回とやま賞

研究概要

1. 繰り返し構造を持つ天然中分子の迅速合成法の開発と特性評価

分子量が 500~3,000 程度の生理活性分子は中分子と呼ばれており、生命科学分野において盛んに研究されている分子群です。私たちは中分子の迅速・大量合成法の開発を目指し、分子中の繰り返し構造を重合によって合成する手法について日々検討しています。現時点までの成果を2つ紹介します。

ペプチドの交互共重合法の開発と交互配列の機能探索1)

アルデヒド、アミン、およびイソシアニド含有カルボン酸の3成分を混合すると、Ugi 反応を素反応とするような重合が進行し、ペプチドの交互共重合体がワンポットで得られることが分かりました。簡便かつ大量に定序配列ポリペプチドを合成することができるため、ペプチドベースの材料開発について多角的に検討を進めています。

糖鎖グラフト法の開発とオリゴ糖配糖分子のワンポット合成2)

ホモオリゴ糖を配糖した分子の迅速合成法として、糖型環状サルファイトを用いる糖鎖グラフト法について研究しています。アルコールを含むアグリコンを重合の開始剤として用い、MS 3A の存在下で酸を加えると SOの脱離に伴う重合が進行し、開始剤と環状サルファイトの仕込み比に応じた重合度のオリゴ糖がワンポットで得られます。この手法により、Glycyrrhizin、Quercetin-3-O-sophoroside、α-Galactosyl ceramide α-(1,2) analogue などの生理活性分子や、これらの糖鎖長の異なる誘導体を合成し、糖鎖長が物性に及ぼす影響を評価したいと考えています。

2. 高分子の自在合成に向けたニトリルオキシド反応剤の開発3),4)

 身の回りにある汎用ポリマーを自由自在に改質する目的で、私たちはこれまでにニトリルオキシド反応剤を数点開発しています。ニトリルオキシドは高反応性のため、無触媒で様々な不飽和結合に付加反応しますが、同時に自己分解反応も進行してしまいます。そこで、ニトリルオキシドの周辺に嵩高い置換基を導入することで、安定性と高反応性を兼ね備えた反応剤を開発しました。汎用ポリマーであるゴムや樹脂にはオレフィンやニトリル基が含まれていることが多く、これら反応剤と混合するだけで汎用ポリマーの架橋や修飾反応が進行することを明らかとしています。

参考文献

1)小山靖人,* ペプチドの交互共重合法の開発と交互配列の機能探索, 有機合成化学協会誌, 2022, 80, 941-951. DOI: 10.5059/yukigoseikyokaishi.80.941.
2)A. B. Ihsan, Y. Koyama,* Substituent optimization of (1→2)-glucopyranan for tough, strong, and highly stretchable film with dynamic interchain interactions, ACS Macro Lett. 2020, 9, 720-724. DOI: 10.1021/acsmacrolett.0c00266.
3)S. Ooba, N. Nakajima, M. Hamada, T. Takata, Y. Koyama,* Synthesis and reations of homoditopic stable nitrile N-oxide as a powerful tool for catalyst-free constructions of macromolecular architectures, Macromol. Chem. Phys. 2022, 2200183. DOI: 10.1002/macp.202200183.
4)小山靖人,* 高田十志和,* クリック反応のためのニトリルオキシド反応剤:炭素-炭素結合形成を伴う無触媒環化付加反応, 有機合成化学協会誌, 2016, 74, 866-876. DOI: 10.5059/yukigoseikyokaishi.74.866.

関連リンク

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創薬化学者と薬局薬剤師の二足の草鞋を履きこなす、四年制薬学科の生き残り。
薬を「創る」と「使う」の双方からサイエンスに向き合っています。
しかし趣味は魏志倭人伝の解釈と北方民族の古代史という、あからさまな文系人間。
どこへ向かうかはfurther research is needed.

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