[スポンサーリンク]

ナノ化学

トーマス・エブソン Thomas Ebbesen

[スポンサーリンク]

トーマス・エブソンThomas W. Ebbesenは、フランスの物理化学者である。専門は光―物質相互作用、ナノ光学。フランス ストラスブール大学 教授(画像出典:https://www.usinenouvelle.com)。

経歴

Ph.D. P. & M. Curie University

Notre Dame Radiation Laboratory 研究員

NEC基礎研究所 研究員

フランスストラスブール大学 教授

受賞歴

1992年 NEC Research Prize
2001年 Randers Prize
2001年 Agilent Europhysics Prize
2005年 Prix France Telecom
2009年 Tomassoni Prize
2009年 Scola Physica Romana Medal
2009年 Quantum Electronics and Optics Prize
2009年 Dr. Scient. H.C., University of Southern Denmark
2014年 Kavli Prize in Nanoscience
2014年 Prix Special of the French Physics Society,
2015年 Honorary Doctorate, Oberlin College, USA
2018年 Knight of the French Legion of Honour[10] Doctor honoris causa on the occasion of the KU Leuven Patron Saint‘s Day
2018年 Quinquennial Anniversary Award, European Materials Research Society
2018年 2018 Grand prix de la fondation Maison de la Chimie
2019年 2019 CNRS Gold medal

研究業績

光と物質の相互作用に関する先駆的研究

光と物質の相互作用に基づく励起子ポラリトン状態を利用した光物理化学に関する研究を推進している。量子光学の分野を中心にPurcell効果などで知られる弱結合や、Rabi分裂で知られる強結合などのポラリトン形成が知られていた。Ebbesenは、Auナノホールアレイにおける異常散乱特性から、プラズモンや微小共振器内部における電磁波と励起子の振る舞いにおける基礎研究を推進した。光と物質の相互作用を電子励起状態あるいは振動励起状態へと利用することにより、電子輸送特性の変調、エネルギー移動の効率化や基底状態での化学反応性の変革に関して研究を推進している。

関連動画

関連文献

  1. T. W. Ebbesen, P. M. Ajayan “Large-scale synthesis of carbon nanotubes”, Nature. 358 (6383), 220 (1992). DOI: 10.1038/358220a0
  2. T. W. Ebbesen, H. J. Lezec, H. F. Ghaemi, T. Thio, P. A. Wolff, “Extraordinary optical transmission through sub-wavelength hole arrays”, Nature 391, 667–669 (1998). DOI: 10.1038/35570
  3. E. Orgiu, J. George, J.A. Hutchison, E. Devaux, J.F. Dayen, B. Doudin, F. Stellaci, C.Genet, J.Schachenmayer, C. Genes, G. Pupillo, P. Samori and T.W. Ebbesen, “Conductivity in organic semiconductors hybridized with the vacuum field”, Nat. Mat. 14, 1123 (2015) DOI: 10.1038/nmat4392
  4. T. W. Ebbesen, “Hybrid light-matter states in a molecular and material science perspective”, Acc. Chem. Res., 49 (11), 2403(2016) DOI: 10.1021/acs.accounts.6b00295
  5. A. Thomas, L. Lethuillier-Karl, K. Nagarajan, R.M.A. Vergauwe, J. George, T. Chervy, A. Shalabney, E. Devaux, C. Genet, J. Moran and T.W. Ebbesen, “Tilting a Ground State Reactivity Landscape by Vibrational Strong Coupling”, Science 363, 615-619 (2019) DOI: 10.1126/science.aau7742

コメント&その他

  1. NEC研究所時代には飯島澄男らと共にカーボンナノチューブの研究に携わった。

関連書籍

[amazonjs asin=”4902312425″ locale=”JP” title=”基礎からの量子光学”] [amazonjs asin=”0849396026″ locale=”JP” title=”Carbon Nanotubes: Preparation and Properties”]

関連リンク

はいぶりっど。

投稿者の記事一覧

はいぶりっど化学者。好きな言葉は"The sky is not limited"

関連記事

  1. 河村奈緒子 Naoko Komura
  2. チャド・マーキン Chad A. Mirkin
  3. ミケーレ・パリネロ Michele Parrinello
  4. Wen-Jing Xiao
  5. 鈴木 啓介 Keisuke Suzuki
  6. エドウィン・サザン Edwin M. Southern
  7. 山東信介 Shinsuke Sando
  8. 安積徹 Tohru Azumi

注目情報

ピックアップ記事

  1. 女性化学賞と私の歩み【世界化学年 女性化学賞受賞 特別イベント】
  2. 信越化学1四半期決算…自動車や電気向け好調で増収増益
  3. 付設展示会に行こう!ーシグマアルドリッチ編ー
  4. ヨウ化サマリウム(II) Samarium(II) Iodide SmI2
  5. 【8月開催】マイクロ波化学のQ&A付きセミナー
  6. 深共晶溶媒 Deep Eutectic Solvent
  7. 化学探偵Mr.キュリー6
  8. 福山クロスカップリング Fukuyama Cross Coupling
  9. 理研、放射性同位体アスタチンの大量製造法を開発
  10. クリンコヴィッチ反応 Kulinkovich Reaction

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP