山東信介 (1973年、和歌山県生まれ)は、日本の化学者である。専門は生体機能関連化学、ケミカルバイオロジー。現在、東京大学大学院工学系研究科 教授。
経歴
1996 京都大学工学部合成化学科 卒業
2001 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 修士課程修了
2001 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 博士課程修了(齋藤烈教授)
2001スタンフォード大学化学科 日本学術振興会海外特別研究員
2002 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 助手・助教
2009 九州大学稲盛フロンティア研究センター 特任教授・教授
2014 東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 教授
2017 東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 教授(兼担)
受賞歴
2009 平成20年度日本化学会進歩賞
2010 文部科学大臣表彰 若手科学者賞
2018 第14回 日本学術振興会賞
2018 第14回 日本学士院学術奨励賞
2019 中谷賞 奨励賞
研究業績
・In Vivo生体分子イメージングに関する研究
生体系における分子の活動(代謝)の理解に向け、生体イメージング分子プローブの開発に精力的に取り組んでいる。特に、核磁気共鳴法に着目、最大の問題点の1つである感度の低さを克服し、飛躍的な感度向上を実現できる核スピン偏極技術と融合した分子プローブの開発を進めている[1]。室温では超偏極状態を維持できず、速やかに平衡状態に緩和されてしまうことが大きな課題であった。野中らとともに、核スピン緩和メカニズムの理解をすすめ、室温においても超偏極状態を長時間維持できる分子骨格の創製に成功した[2]。
・核酸・ペプチド化学に基づく生体機能分子の創製
核酸化学やペプチド化学をベースとした分子進化工学をもとに、生体分子認識を実現する様々な生体機能分子のコンセプトを提唱している。例えば、植木らとともに、核酸アプタマーを利用した人工細胞増殖因子を設計し、細胞の増殖や分化の制御を実現した[3]。また、森本らとともに、構造を予測可能な人工ペプチドを開発し、PPI阻害剤のComputationalデザインを提唱している[4]。
関連文献
[1] Kondo, Y.; Nonaka, H.; Takakusagi, Y., Sando, S. Angew. Chem. Int. Ed. 2020 in press DOI: 10.1002/anie.201915718 [2] Nonaka, H.; Hata, R.; Douta, T.; Nishihara, T.; Kumagai, K.; Akakabe, M.; Tsuda, M.; Ichikawa, K.; Sando, S. Nat. Commun. 2013, 4, 2411. DOI: 10.1038/ncomms3411 [3] Ueki, R.; Ueki, A.; Kanda, N.; Sando, S. Angew. Chem. Int. Ed. 2016, 55, 579–582. DOI: 10.1002/anie.201508572 [4] Morimoto, J.; Fukuda, Y.; Kuroda, D.; Watanabe, T.; Yoshida, F.; Asada, M.; Nakamura, T.; Senoo, A.; Nagatoishi, S.; Tsumoto, K.; Sando, S. J. Am. Chem. Soc. 2019, 141, 14612–14623. DOI: 10.1021/jacs.9b04371関連動画