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ニコラス-ターナー Nicholas Turner

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ニコラス ターナー (Nicholas Turner, 1960年6月2日イギリス、ケント州Orpington生)はイギリスの酵素化学者である。マンチェスター大学教授(写真:マギル大学化学科)。

経歴

  • 1979‐1982 University of Bristol, Chemistry (BSc)
  • 1982‐1985 University of Oxford, 博士号取得 (Prof. J. E. Baldwin)
  • 1985‐1987 Royal Society Junior Research Fellow
  • 1985/86 Oxford University, (Dyson Perrins Laboratory)
  • 1986/87 Harvard, Department of Chemistry, (Prof. G. M. Whitesides)
  • 1987‐1995 University of Exeter, Department of Chemistry, 講師
  • 1995‐1998 University of Edinburgh, Reader in Bio‐Organic Chemistry
  • 1998‐2004 University of Edinburgh, Chemical Biology, 教授
  • 2003 Co‐founder and Chief Scientific Officer of Ingenza Ltd
  • 2004- University of Manchester, chemical biology, 教授
  • 2005 ‐ Director of Centre of Excellence in Biocatalysis, Biotransformation and Biocatalytic Manufacturing (CoEBio3)
  • 2012 Co‐founder and Director of Discovery Biocatalysts

コンサル: AstraZeneca (UK), Johnson Matthey (UK), Lonza (Switzerland), Evolva (Switzerland), Bactevo (UK), Asymchem (China), Dr. Reddy’s Research Laboratories その他Advisory Board多数

受賞歴

  • 1992 RSC Medal for Carbohydrate Chemistry
  • 1995 Pfizer Academic Award for Organic Chemistry
  • 1996 RSC Corday‐Morgan Medal and Prize
  • 2004 Biocat Award
  • 2007 AZ/GSK/Pfizer UK Prize for Process Chemistry Research
  • 2009 Royal Society of Chemistry Industrial Organic Award
  • 2011 Royal Society Wolfson Research Merit Award
  • 2017 ERC Advanced Grant Fellowship 2017-2022
  • 2017 RSC Organic Stereochemistry Award
  • 2018 ACS Catalysis Award

研究業績

アミンは天然物、API、Bulk chemicalなど様々な場面で見つかる官能基であり、合成化学的にその合成は重要である。Turnerはmonoamine oxidase (MAO)[1]や最近ではimine reductase (IRED)[2]reductive aminase [3]によるアミンの合成酵素の開発で有名。これらの酵素の開発は無保護のキラルアミンを高エナンチオ選択的に合成できることから注目を集めている。

さらに、wild typeの酵素の活用だけでなくDirected Evolutionを利用することで酵素を改変し、基質の拡大や工業的な生産を視野に入れた生産性の向上などを目指し研究を行なっている。[4]

また、Biocatalystを用いた天然物や医薬品などの合成を提唱している。[5]

その他

  • 妻の Sabine L. Flitschも同研究所で研究室を主宰しており、共同研究も行なっている。

関連動画

関連文献

[1] Köhler, V.; Bailey, K. R.; Znabet, A.; Raftery, J.; Helliwell, M.; Turner, N. J. Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49 (12), 2182.DOI: 10.1002/anie.200906655.

[2] Grogan, G.; Turner, N. J. Chem. A Eur. J. 2016, 22 (6), 1900. DOI: 10.1002/chem.201503954.

[3] Aleku, G. A.; France, S. P.; Man, H.; Mangas-Sanchez, J.; Montgomery, S. L.; Sharma, M.; Leipold, F.; Hussain, S.; Grogan, G.; Turner, N. J. Nat. Chem. 2017, 9 (10), 961. DOI: 10.1038/nchem.2782.

[4] Turner, N. J. Nat. Chem. Biol. 2009, 5 (8), 567.DOI: 10.1038/nchembio.203.

[5] Turner, N. J.; O’Reilly, E. Nat. Chem. Biol. 2013, 9 (5), 285. DOI:10.1038/nchembio.1235.; Green, A. P.; Turner, N. J. Perspect. Sci. 2016, 9, 42.DOI: 10.1016/j.pisc.2016.04.106.; Hönig, M.; Sondermann, P.; Turner, N. J.; Carreira, E. M. Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56 (31), 8942. DOI:10.1002/anie.201612462.

関連書籍

[amazonjs asin=”B079WDGCJ2″ locale=”JP” title=”Biocatalysis in Organic Synthesis: The Retrosynthesis Approach (English Edition)”] [amazonjs asin=”0521436850″ locale=”JP” title=”Introduction to Biocatalysis Using Enzymes and Microorganisms”] [amazonjs asin=”4061398377″ locale=”JP” title=”改訂 酵素―科学と工学 (生物工学系テキストシリーズ)”]

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投稿者の記事一覧

東京の大学で修士を修了後、インターンを挟み、スイスで博士課程の学生として働いていました。現在オーストリアでポスドクをしています。博士号は取れたものの、ハンドルネームは変えられないようなので、今後もGakushiで通します。

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