マーティン・オストライヒ (Martin Oestreich, 1971年10月19日-) はドイツの有機化学者である。ベルリン工科大学教授。
経歴
1996 フィリップ大学マールブルク校 卒業 (P. Knochel教授)
1999 ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学 博士号取得 (D. Hoppe教授)
1999 カリフォルニア大学アーバイン校 博士研究員 (L. E. Overman教授)
2001 アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク校 Habilitation取得 (R. Brückner教授)
2005 カーディフ大学客員教授 (with T. Wirth教授)
2006 ヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学 教授 (2010 オーストラリア国立大学 M. S. Sherburn教授のもとで客員研究員)
2011 ベルリン工科大学 教授
受賞
2002 Thieme Journal-Preis
2004 Förderpreis der Dr.-Otto-Röhm-Gedächtnisstiftung
2005 ADUC-Jahrespreis für Habilitanden 2004
2006 ORCHEM-Preis für Naturwissenschaftler, Liebig-Vereinigung der GDCh
2011 “Goldener Brendel” Wanderpreis für hervorragende Lehre, Westfälische Wilhelms-Universität Münster/Germany
2013 Steinhofer Lecture, Albert-Ludwigs-Universität Freiburg, Freiburg im Breisgau/Germany
2015 David Ginsburg Memorial Lecture, Technion, Haifa/Israel
研究概要
取り扱い困難なシランの簡便発生法の開発
トリメチルシランやモノシラン (SiH4)は自然発火性と爆発性を有する有毒な気体である。
Oestreichらは1,4-シクロヘキサジエニルシランと適切なルイス酸を組み合わせることで、溶液中で上記不安定シランを容易に発生させる手法を開発した。
触媒的シラ-Firedel-Crafts反応
ルテニウム触媒、ルイス酸触媒、ブレンステッド酸触媒のいずれかとヒドロシランとの反応によりシリリウムカチオン等価体を系中で発生させ、触媒的シラ-Firedel-Crafts反応を達成した。
エナンチオ選択的ヒドロシリル化反応
光学活性なホウ素触媒を用いたケトンのエナンチオ選択的ヒドロシリル化を達成した。
関連文献
・Simonneau, A.; Oestreich, M. Nature Chem. 2015, 7, 816. DOI: 10.1038/nchem.2329
・Bähr, S.; Oestreich, M. Angew. Chem. Int. Ed. 2017, 56, 52. DOI:10.1002/anie.201608470
・Süsse, L.; Hermeke, J.; Oestreich, M. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 6940. DOI: 10.1021/jacs.6b03443
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