ヨアヒム・ザウアー (Joachim Sauer、1949年4月19日-)は、ドイツのドイツの量子化学者でフンボルト大学ベルリンの教授である。ドイツ連邦共和国首相アンゲラ・メルケルの夫として一般世間では有名。
経歴
1972 フンボルト大学 博士号取得
1973-1976 フンボルト大学
1977-1991 ベルリン中央科学アカデミー物理化学研究所
1993-1999 マックスプランク研究所量子化学グループ
1993-現在 フンボルト大学 理論物理化学 教授
受賞歴
1991 ゲッティンゲン科学会化学賞
1998 アレクサンダー・フォン・フンボルト賞
2009 コラス・メダル、レクチャー賞
2013 ロンドン大学名誉学位
研究概要
専門は、物理化学・計算科学であり、特に固体とその表面に着目した研究を行っている。
具体的には、
- 固体NMR測定と量子化学的解析によるゼオライトのブレンステッド酸活性点の解明
- メタノールを原料とするガソリン合成、低級オレフィン合成におけるゼオライト触媒の反応解析
- 計算的振動スペクトル解析による硫酸化ジルコニアの構造と反応性評価
- 気相中の水クラスターの解析
- 遷移金属の中での安定性評価
などの研究を行っている。
近年の論文では、窒素と一酸化炭素を吸着することができるMOF、CPO-27-Mg (Mg-MOF-74)の系についてDFT, ハイブリッドMP2などの手法を用いて吸着等温式の予測を行っている。
来日歴
2016年に開かれた伊勢志摩サミットで首相の配偶者として来日した際には大きな話題を呼んだ。大学教授としては、2010年に松島で開かれた13th International Conference on Theoretical Aspects of Catalysis (ICTAC-13)で招待講演を行っている。
参考文献
- ”Ab Initio Prediction of Adsorption Isotherms for Small Molecules in Metal–Organic Frameworks” J. Am. Chem. Soc., 2016, 138, 14047–14056 DOI: 10.1021/jacs.6b08646